内容説明
自己同一性も自己表現も幻想にすぎないのではないか?本来逆説に満ちた「自己」を、二人の「近代」英詩人は、どのようにとらえ、どのようにテクストに表現しようとしたかを問う。
目次
序章 自己を書くこと
第1章 ナルシシズム
第2章 巡礼者スウィーニー
第3章 ティレシアス意識
第4章 自己放棄
第5章 自伝とトランスフィギュレイション・ディスフィギュレイション
第6章 墓の彼方からの声―イェイツの墓碑銘のレトリック
第7章 イェイツとフール
第8章 再帰性のレトリック―イェイツにおける‘self‐’について
第9章 血のシンボリズム―ヴェロニカからサロメへ
第10章 象徴主義から古典主義へ
終章 「一」なるものの希求