感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
23
初山岸涼子。漫画。怪しい雰囲気を漂わせる短編集。ちょっとホラーかも。でも、その中で印象に残ったのは著者がディフォルメされて全編を語る「パエトーン」。日本国内の原子力発電所のことを批判的に述べている。異彩を放っていたと言う点からも★★★★☆2016/01/05
KAKO
20
う~ん、再読だが、山岸作品はホント読ませる。明るい「夏」、しかしここに描かれた「夏」はずっとずっと重い。確かにこんな夏があったんだ。忘れてはいけない「夏」。見開きページの使い方の上手さは、「レベレーション」でも感じた。そして何度読んでも怖い「化野の…」同作者の「艮(うしとら)」に収録されている「時計草」に似ている。ストレートに怖いのは「千引きの石」、もっとリアルに怖いのは「パエトーン」だ。この地球を、世界を、もっともっと良くして後世の人に残していきたいのに、最近だんだん諦めた気持ちになっているのが哀しい。2026/07/14
小夜風
17
【所蔵】再読。「パエトーン」はチェルノブイリの事故の後すぐに書かれたものですが、原発事故の後、かなり話題になっていたみたいですね。私もまさか、マンガで読んだことが現実に起こってしまうなんて…と、とても恐ろしくなりました。「千引きの石」と「夏の寓話」は戦争色の強い話で、怖いよりも悲しい話です。「籠の中の鳥」は近親婚の進んだ一族の話。「時じくの香の木の実」は…最中に割り込む日向が、何度読んでも可笑しい。おいおいおいって(笑)。「鳥向楽」は仏教の解釈なのかな?山岸凉子の描く阿修羅像、素敵です。2013/11/25
ぐうぐう
11
収録作「夏の寓話」には、とても印象的なページがある。見開きで描かれた場面なのだが、閃光の中、右ページの隅に少女がいて、左ページは閃光の強烈さを表すため、真っ白なままになっている。発表当時(1976年)、何も描かれていないページに原稿料は払えないと編集部から言われたらしい。それだけ、この表現が、今までにはない演出だったということなのだろう。にしても、新しいものを生み出すとき、まず、常識という抵抗との戦いが待っているのだな、と痛感させられた。2010/09/24
冬峰
7
セレクションの中では異色な作品が集まっている。『二口女』なんてタイトルのわりに軽いコメディで、『鳥向楽』なんて突然生命の誕生が始まったと思ったら仏教の解説になり…表題作と『パエトーン』は原爆と原発の話。書かれたのは平成に入る前で、原発の危険性をこれでもかと勉強して説明している。3.11を経験したあとこれを読むことになるとは…。『千引きの岩』は「あたし水谷加奈子、中学2年」から始まる転入生の物語で、えっ急に普通の少女漫画始まった…?と戸惑っていたらちゃんとホラーらしい落ちがついた。よかったよかった。2023/09/22




