感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nikko
11
人徳と武術に優れた登場人物たちのおかげで、全体的に面白さを感じながら読めた。ただ、こういった優れた魅力的な人物だからといって、必ずしも正当な評価を得られる訳ではないし、ふとしたことから、その立場を追われてしまう場合があることは、古代からあったのだとあらためて感じた。生活様式は変わっても、人の心や、組織が時として作り出してしまうマイナスの要素はそう変わらないのか-。さて、漫画を読了し、次は小説に挑戦。2013/10/11
Seiya Suzuki
10
北方謙三氏の水滸伝に心を絡め取られたので、原展と比較しようと考えたのだが、さすがに長くなると思いとどまり、そこで全6巻にまとまってる横山光輝氏の漫画版に手を出した次第です。まず、公孫勝が妖術師、戴宗は神行法というドーピング作用のあるテープで長距離を駆けるなどと、ファンタジックな設定になっている点に驚きました。こんなもん、実力で言ったら公孫勝がリーダーになるべきだろ!って思ったのですが、当時の中国は宋江のように掴みどころのない、どこかヌケタ人物が典型的な頭領像だったらしいので、そこらへんは時代の流れでしょう2013/06/01
じゃんけん
4
面白いけど、仲間がどんどん増えていくストーリーは・・・忠誠心とは・・・と思った2023/10/08
s
4
最終回が昭和56年19刷の潮出版社からのオリジナル全7巻を。6巻にある横山氏の後書きがいい。原作に対する敬意があります。確かにこれだけでは水滸伝入門書っぽくて、だけど面白くて一晩一朝読み続けました。酒を飲むと6割痺れ薬で生死を彷徨い、食べてるもっちりした肉と饅頭らしきものが常に美味しそうで、戦いの銅羅の音はジャーンジャーン。熱い夜と朝でした。2016/04/08
徒生
3
いくら虚構が九割といっても、遼の軍勢を宋が屈服させるというのには驚いた。まあ物語として十分面白いので割り切るべきか。それに東洋史の泰斗、宮崎市定先生もこう言っている。「私は現今の中国を理解するためにも水滸伝は必読の書だと称したい。何も水滸伝的中国が、毛沢東の新中国に残存していると主張するつもりはない。もしも全然新しい中国に完全に脱皮したなら、なおさらのこと、脱皮しなかった前の旧中国のことも同時に知って対比させ、どうして瓜から茄子が出てきたのかの経過を知ることが必要なのだ。」2015/12/28