出版社内容情報
【あらすじ】
体罰を行い島に転勤させられた、かつての熱血教師“ぐうたら”先生。のどかな田舎の学校に着任したと思いきや、狭い島の中で行われていたのは、陰惨ないじめだった。
教師と真っ向から対立する有力者の娘。授業ボイコット。モンスターペアレント。
島そのものを変えなければ正しい教育はできないという校長の説得や同僚とともに、“ぐうたら”先生はかつての自分を取り戻していく――。
解説は『夜回り先生』水谷修氏!
多くの教師、教職を目指す人たち、何より今苦しんでいる生徒たちに読んでほしい。
「柏木先生のように、身近に信用できる先生が、大人がきっといる」そう心を開いてくれるきっかけになってほしい。
池永陽[イケナガヨウ]
著・文・その他
内容説明
都内で中学教師を務めていた柏木真介は、体罰を問題視され伊豆諸島の離れ小島に異動を命じられる。「学校改革」を掲げる校長の岩崎は、柏木に協力を求めるが、やる気を無くしていた彼には、その想いは伝わらなかった。苛め、学級崩壊、保護者からの理不尽なクレームなどの問題が重なる中で迎えた夏休み…思いもよらない事態が起こるのだった。
著者等紹介
池永陽[イケナガヨウ]
1950年愛知県豊橋市生まれ。グラフィックデザイナーを経て、コピーライターとして活躍。98年「走るジイサン」で第11回小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。2006年『雲を斬る』で第12回中山義秀文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
51
スカッとする場面とモヤッとする場面が混在する一冊でした。体罰を問題視された教師が小島に転勤し、校長・同僚と共に学校改革を目指してその島の生徒や親と対峙する話なんですが、モヤッとする場面はいくらなんでも生徒指導?の一環としても喧嘩・暴力シーンが多く、その当事者に教師も加担する場面はどうなのか?という感じでした。その反面、スカッとする場面は、生徒に対する場面よりモンスター化する親に対しての教師・校長の発言に共感できた場面ですね。どちらにしても、今の教育場面の一面の問題を垣間見ることはできたと思います。2023/05/25
Syo
30
う〜む。 大問題。 解決方法は…。2022/01/14
ふう
24
電子図書。小さな島を舞台にしたことで、大人と子供の距離が近く、ある意味極端に走ったかな。梅ばあちゃんが良い味だしてた。2024/04/17
昼夜
19
子どもは自分の要求と渇望が行動の指針である。それを家庭環境や教師と校則や校内のヒエラルキーなどで自分の意に反して抑圧されれば何かしら誰でも問題が起きるのは不思議じゃない。ひとつの教室の中で一体どれだけの問題が存在するんだろう。生徒30人くらいとその親、単純計算でおよそ60人と1人か2人で向き合うのはどれだけ体力も時間も大変か想像に難くない。ほんとお金だけじゃ続かない職業で意欲がなきゃ続かないと頭が下がります。2018/05/26
shi-
18
島の自然の中で、島の人に見守られ育った子供の通う学校…やっぱり勝手にいじめもなく、学校と家庭で共に子供たちの成長を…と思ってしまう。 島に限らず、今の学校、親の問題点が本当に真に迫り書かれていて、色々考えさせられました。 こんな先生に多感な時期に出会い、教えて貰えれば幸せだ。 夜回り先生が巻末に書いていたように、教育に関わろうとしている人、そして子を持つ親にたっくさん広めたい本だ。2018/05/21




