内容説明
坂本龍馬死す。五代才助に西郷隆盛から急報が届く。薩長同盟へ続く坂本と五代の因縁を覚えていたのだ。圧倒される五代だが、鳥羽伏見の戦い後、大久保一蔵から西郷が10年前に入水自殺を図った過去を聞く。物語はその10年前に遡り―。奄美流罪、倒幕、新政府との確執、そして西南戦争へ。ともに時代を駆けた人々が見た「英雄」の半生。
著者等紹介
〓橋直樹[タカハシナオキ]
1960年東京都生まれ。92年「尼子悲話」で第72回オール讀物新人賞を受賞。95年「異形の寵児」で第114回直木賞候補。97年『鎌倉擾乱』で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aika
50
鈴木亮平さんが大河ドラマで演じる、優しくて涙もろくて人情深い西郷隆盛に惹かれて、手に取りました。西郷隆盛という男が、ヒュースケン殺害で名をしらしめた攘夷派の志士伊牟田尚平や、西南戦争を最後まで戦い抜く人斬り半次郎こと中村半次郎などの視点によって複合的に描かれています。西郷本人よりも、周囲の人物の方が登場回数が多かったのは、想像と少し違いました…。西南戦争の、田原坂から最期の城山での場面は、文章を追いながら頭の中で思い描くと、九州人だからか余計に目頭が熱くなります。今度は歴史の新書にも挑戦してみたいです。2018/03/02