内容説明
張本が打ち、大下が守り、新美が投げた…東映から日本ハムへの「懸け橋」として球界に一瞬浮かんで消えたレインボーチームの肖像!書き下ろしスポーツ・ノンフィクション。
目次
序章 映画『仁義なき戦い』と東映フライヤーズ
第1章 揺らぐ東映フライヤーズ―一九七二年秋
第2章 日本を拓く―風雲児・西村昭孝
第3章 日拓ホームフライヤーズ誕生―一九七三年初春
第4章 新生フライヤーズ、波乱の船出
第5章 強心臓ルーキー・新美敏の奮闘
第6章 西村オーナーの方針転換―田宮監督解任
第7章 七色のユニフォーム
第8章 再びの身売り騒動―そして、あっけない終焉
終章 それぞれの、その後
あとがき 虹色球団―消滅球団をめぐる旅
著者等紹介
長谷川晶一[ハセガワショウイチ]
1970年生まれ。早稲田大学商学部卒業。出版社勤務を経て2003年にノンフィクション作家として独立、野球・格闘技・芸能を中心に幅広く取材・執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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fwhd8325
50
そうですか、日拓の時代は1シーズンだったんですね。カラフルなユニフォームで注目をされていたことだけが記憶にありますが、選手としては、この著書でも中心的に描かれている新美投手は覚えています。それにしても、今からは想像もつかないけれど、パ・リーグの波乱の時期は、すごいというかひどいだと思います。日拓のの西村さんが奥歯にものが挟まったようなコメントを吐いているけれど、この体質が数年前のバッファローズとブレーブスの合併へと繋がっていくのだろうと思うと、何とかならなかったのかと思う気持ちもあります。2019/05/07
gtn
31
「まさに建売り屋の発想なのかもしれないね。パッと造成して、パッと作って、パッと売ってしまって」と日拓ホームフライヤーズの西村昭孝オーナーを評する同球団選手OB大下剛史氏。経営者としては一流だが、野球は無知な故に、十か月悪戦苦闘した末、弓折れ矢尽きた感。だが、球団と選手を愛したのは事実だろう。その思いは本書から伝わる。2021/09/03
ようはん
21
1973年のシーズンだけに登場した東映フライヤーズと日本ハムファイターズの間の歴史を繋ぐ球団日拓ホームフライヤーズの話。著者と同様、プロ野球の球団変遷表を見て印象には残っていたけど7種類のユニフォームが存在していたり、登場人物もこの本の主人公ともいえる西村オーナーに選手は張本勲に大杉勝男、大下剛史と個性的な面子が居たりとカオスというか色々濃い要素が多い。2020/10/04
ライアン
19
日本ハムファイターズになる前の球団・・・1シーズンだけ存在した日拓ホームフライヤーズのお話。当時の選手にインタビューしたり時代背景なども含めその当時のドタバタぶりが書かれている。張本さんがヘッドコーチだったんだ。オーナー西村氏のいかにも昔の独断的なワンマン社長という感が。1年で身売りするのは無責任とも言えるが、球団を持つ覚悟を持つ間もなく押し付けられたとこもあるのでしょうがないかな。西村氏は今も会長として日拓に残ってるようなのでぜひ当時の話しをして欲しかったな。余談ですが現社長の息子は神田うのと結婚した。2019/03/26
tetsubun1000mg
17
1970年代、パリーグには球団経営危機が続いていたようだ。 クラウンライター、太平洋クラブライオンズ、そしてこの日拓ホームフライヤーズなどが記憶には残っていた。 一番記憶が薄いのが日拓ホームフライヤーズなのだが、前身は映画会社の東映。 私鉄、映画、不動産会社と時代の波にのみ込まれていくのも理解できる。今もこの流れが続いている。 日拓は10か月でチームを手放したが当時の選手、関係者に詳しくインタビューしている。 この球団で選手、コーチとして活躍した張本さん、土橋監督、高橋直樹選手などの取材は面白く読んだ。2021/12/22