内容説明
次郎法師(直虎)の見上げた遠州の空は翳っていた。仕える今川家との軋轢は決定的となった。桶狭間で父直盛が戦死。その後も今川氏真と家老小野但馬らの謀略で井伊の男たちが斃れていく。最後の希望、前当主直親の嫡男虎松を守るために、女当主となった直虎が取った策とは。武田、徳川ら大名とも渡り合い、井伊家を守り抜いた女性の半生を描く。
著者等紹介
高橋直樹[タカハシナオキ]
1960年東京都生まれ。92年「尼子悲話」で第72回オール讀物新人賞を受賞。95年「異形の寵児」で第114回直木賞候補。97年『鎌倉繚乱』で中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雪風のねこ@(=´ω`=)
111
なんと南渓和尚が出てこない。次郎法師が孤軍奮闘している感が出ている。そのぶん交渉事のやり取りがスリリングである。材木価格や竿銀、そして徳政令など経済面での描写が多い。因って引馬城の攻略も重点となる。今川との永きに渡る軋轢に(と信長、徳川方への移行)重きを置いている為、桶狭間の戦いも丁寧に描かれている。藤吉郎の諜報、破壊工作もスリリングだなぁ。直虎、虎松の繋がりが強く描かれている分、色恋沙汰が少ないのは少し残念とも言える。2016/12/18
そら
21
「剣と紅」の方が読みやすかったな。説明が多くて、難しかった。単に私に知識がないだけなんだけど(^^♪。題材自体が地味なこともあるけど、物語性、エンターテイメント性がもっとあったらいいのに、と思ってしまう。でも、信康と築山殿の事とか、よく知らなかった史実の知識が増えたのはうれしかった。2017/03/07
まふ
1
んんん…面白いシーンもあるのに…特に後半、粗削りでまだこれから書き込んでいく段階でさっさと上梓してしまったような印象…。南北朝や源平ものを書いているときのように普段からの深い造詣がある時代ならともかく、あまり思い入れというほどにならぬままに、大河で話題になるタイミングに間に合うように急いで書かれたんじゃないだろうか…。なんとも残念…。2017/07/24
こう
0
直虎の根本の考え方は、家を守ることということがよくわかった。大河ドラマでは、小野但馬がいい人で描かれているがこちらではそうでもないような感じになっている。また、次の書籍を読んで見なくては。2017/08/06
静
0
家を継ぐ重さ、女性も男性も関係ない――。戦国の世を怜悧に描く作者には感服の想いです。2017/02/15