出版社内容情報
「得」をしようと狙いすぎるとチャンスを逃す。頭を働かせて、ただの貪欲と賢い貪欲の違いを知る――。それが新道徳の基礎。
内容説明
『得』をしようとねらいすぎるとチャンスを逃す。頭を働かせて、ただの貪欲と賢い貪欲の違いを知る―。それが“新道徳”の基礎。人間の本質に迫ったエッセー集。
目次
道徳なしに生きることはどうやら難しい
道徳は人のためならず
バーゲン理論
続・バーゲン理論
「小さな貪欲」に罪はない
商行為とモラルの危機
「義務教育」の変容
教育と格差社会
モンスター・ペアレンツの源流
イソップ寓話の教訓〔ほか〕
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
フランス文学者、作家。1949年、横浜生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。共立女子大学教授を経て、明治大学教授。専門は、19世紀フランスの社会生活と文学。91年『馬車が買いたい』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年に『職業別パリ風俗』で読売文学賞を受賞。執筆活動のみならず膨大な古書コレクションを所有するコレクターとしても知られている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロピケ
4
併読中のアランの本では、幸福は努力してつくるものと説かれていた。鹿島さんの考察は、もちろんこうした哲学思想の流れに添いつつも、もっと現実を見据えた実をとった考えである。あっという間に読み終わってしまうボリュームながら、内容は濃密。「道徳論」という副題を気にせず、気軽に読める。バーゲン理論やモンスターの発生源がコンビニ(こちらは内田樹さんの説を踏まえている)など、自分の身の回りにいくらでも確認できる事柄なので、なるほど!、と頷きつつ、今までよりはっきりと現代の日本社会が見えてきたけれど。2012/07/13
かりんとー
3
「自我パイ」をじょうずにぶんぱいできるようになりたいです。2016/04/12
荒川ながれ
2
鹿島先生の著作には、なるほどと思わせること満載、勉強になります。時代に合わせた価値観がある。なさけは人のためならずです。2012/12/10
Susumu Kobayashi
1
「義務教育の「義務」とは、国民はひとしく教育を受ける「権利」を有するのだから、保護者は子どもを学校に通わせる「義務」を負うという考えから来ています」(p.30)――そうだったのか。これまで誤解していた(それはお前だけという意見もあるだろうけど)。こればかりでなく、目から鱗の文章が多数収録されている。また、考え方も至極まっとうのように思われる。この著者の本は失望させられることがほとんどない。文庫化されて幅広い読者が得られることを希望。2014/02/16
m!
1
読み応えゼロ
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