内容説明
マリユスの恋はひとときの幸福な日々をもたらすが、度重なる障壁が非力な青年を絶望の淵へと突き落とす。いつしか反乱のバリケードの群衆に加わっていた彼にはさらなる悲劇的な運命が待ち受けていた―。「人間の本当の分類はこうだ。光をもつ人間と暗い人間。だからわれわれは、教育を!学問を!と叫ぶのだ」暴力統治の時代から、普遍的な法が支配する時代へと人類の宿命の転換をめざしたユゴー文学の極致。
著者等紹介
辻昶[ツジトオル]
1916~2000。フランス文学者。東京大学大学院修了。東京教育大学教授、白百合女子大学教授を歴任。東京教育大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
14
マリウスとコゼットが出会ってすぐの話、2人とも幸せなのがとってもいい。反徒としてバリケードを築いたり、その中にスパイとしてジャベールがいたり、ジャンバルジャンがコゼットに近づくマリウスに気づいて不穏な動きを始めてしまった。映画で観たのとは違い、フランスの民衆の不満や背景がよくわかって、難解だけどおもしろいな。あと一冊で読み切り。2017/10/06
viola
7
エポニーヌ!ネタバレになっちゃうのであまり書けませんが・・・エポニーヌ!と叫びたい。エポニーヌの○の原因って○だったなんて!ミュージカルでは描いてなかったなぁ。もーちょっと切ない恋心特化して描いて欲しかったりもしますが、やっぱり面白い~~。ジャン・バルジャンは善人すぎる人物という欠点があったけど、コゼットを奪われたくないゆえの葛藤も描かれていて、やや立体的に。「愛のいちばんたしかなしるしは、ときにはほとんど耐えられなくなるほどのあわれみの気持ちが生まれることだ。」確かにそうかも・・。遂にあと1巻です。2011/08/12