出版社内容情報
思いがけず町の女子校に入ることになった千代。やがてアメリカから来た日米親善の友情の人形を守り抜くことに。感動の成長物語!
シャーリー・パレントー[シャーリー パレントー]
河野 万里子[コウノ マリコ]
内容説明
一九二七(昭和二)年、北関東、山あいの小さな村。十一歳の千代は、姉のお見合いの席にしのびこもうとして失敗。それがきっかけで、町の女子学校に入学させられることに。級友からのいじわるにも負けず、しだいに千代は自分の役割を見いだしていく。それは、日米親善のために日本にやってきた「友情の人形」をまもることだった―。手に汗にぎる、成長物語!
著者等紹介
パレントー,シャーリー[パレントー,シャーリー] [Parenteau,Shirley]
作家。絵本と児童文学で活躍。カリフォルニア州エルクグローブで夫とともに暮らしている
河野万里子[コウノマリコ]
翻訳家。上智大学外国語学部卒業。東京都杉並区で夫と息子とともに暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
35
昭和2年、日本在住のアメリカ人が、日本とアメリカのあいだに暗い戦争の気配が漂い始めたことに胸をいため、アメリカの子どもたちからの寄付で「友情の人形」が日本に届くようにしたのだそうです。著者が日本の雛祭りに興味を持ったことからうまれた物語。姉の婚約者である地主の援助で女学校で学び始めた千代が、友情の人形の公認後見人となり、それを妬んだ有力者の娘による人形破壊、修復へと奔走する姿が真っ直ぐでウルウルきました。ただ、校長が千代を糾弾した時、海渡先生は庇ってくれると思っていたので残念。2022/06/28
るき
6
読書感想画中高生の部の課題図書。アメリカの児童書なのですが、舞台は「お国がどんどん変わろうとしている」昭和2年の日本。主人公の千代は青い目の人形の歓迎式で、倒れかかった人形を抱きとめた瞬間が大きな記事にされたことから、親善人形公式後見人に任命される。この後の人形が壊されてしまう時代まで進むのかと思いきや、校内での事件までで終了。千代の行動力、辛抱強さ、新しく見る世界への新鮮な驚きがかわいらしく、児童書らしくてよかったです。が、中学生はまだしも、高校の課題図書にしては幼いと思うんですが・・・。2017/12/15
本の妖精
5
【勇気をだしさて、物おじせずに…】千代ちゃんは本当に強い女の子だなと思った!前作との繋がりもしっかりあって、そして本当に外国の方が書いたの?!っていう感じのちゃんと日本の話だった(語彙力)この時代、色々なことがあって、色々な考え方があって、大変だと思った。先生たちが少し厳しすぎるなと思った、でも花ちゃんとか八重さんとか味方もいて、いい話だったと思う!!2023/02/24
kaolu
2
前作と同様に、幼い主人公の身に起こる波瀾の日々に、千代と一緒になって一喜一憂させられる。この心の動きの描写が本当にうまい。日本編でも、子供心を傷つける大人の理不尽さは健在で腹立たしい(笑) この日本という舞台、それも昭和二年という時代の話をアメリカ人が書いたというのは素敵。前作を読んでいなくてもいいが、読んでいるともっと人形と少女の絆の深さが読みとれて感慨深い。いい作品に巡り会えた。2020/03/27
ティパリン
1
田舎の村の少女・千代が、姉の結婚相手の山田さまの計らいで女学校へ行くことになり、事件や人との出会いを通して成長していく物語。なのだが、たいして出てこない山田さまの度量の大きさが一番印象に残っている。2017/07/08