内容説明
名探偵ポアロは保養地のホテルで、若き美女ニックと出会った。近くに建つエンド・ハウスの所有者である彼女は、最近三回も命の危険にさらされたとポアロに語る。まさにその会話の最中、一発の銃弾が…ニックを守るべく屋敷に赴いたポアロだが、五里霧中のまま、ついにある夜惨劇は起きてしまった。新訳決定版。
著者等紹介
クリスティー,アガサ[クリスティー,アガサ][Christie,Agatha]
1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる
真崎義博[マサキヨシヒロ]
1947年生、明治大学英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
120
保養地のホテルで出会った女性・ニックが何者かに命を狙われていることを知り、調査に乗り出すポアロとヘイスティングズ。途中で、この犯人ってアレじゃない?って思ったけど動機のところまではちゃんとたどり着けなかったし、ポアロの誘導に引っ掛けられてしまったから、してやられた感があったな~。それにしても、欧米人の名前の別称って馴染みがないし分かりにくいな。この名前の別称がこれって、なぜそうなった?みたいなのもあるし。2018/10/15
財布にジャック
65
あの自信過剰なポアロがついていながら、殺人が起きてしまうなんて、殺された人物があまりにも可哀想な気がします。今回はヘイスティングズが全編を通して、バッチリ登場しています。二人の掛け合いはやっぱり物語を盛り上げるのにはもってこいなので、この友人の存在感は大なのだと実感しました。題名の邪悪の家に相応しい邪悪で意外な犯人でしたが、私の灰色の脳細胞を働かせてもまったくかすりもせず、ポアロの謎解きにぽか~んとしたまま本を閉じました。2012/08/17
優希
61
面白かったです。素直に騙されてしまいました。起きてしまった惨劇、妙なトリック、まさかの犯人。クリスティの仕掛けた罠にまんまと引っ掛かった気分です。2022/10/19
kaizen@名古屋de朝活読書会
60
本書を読むまでは、殺人後に問題を解決する探偵はすごいと思っていました。 しかし、未然に殺人を防げない探偵ほど、なさけないものはないことが分りました。 偉そうにしていても、人命一人を防ぐ能力の方が、 殺人者を探す能力よりも、価値があることがわかりました。 ポアロに対する尊敬の念や、ポアロの偉そうな口ぶりの、弱点が分りました。偉そうにしていても、人命を守れない探偵。クリスティの描きたかったことが分ったような気がしました。2012/05/03
カムイ
56
【アガサ・クリスティ劇場第7幕】今回はシンプルな展開でした、題名の【邪悪の家】なんとも安直な題名だと思いながら読み進めていくと主人公のニックお嬢さんのなんと胡散臭い人物ですが、いつものように、アッ、コイツが犯人か?いや、彼女が犯人か?と右往左往して一気に解決まで行ってしまいました【邪悪の家】に取り憑いた物は人間の物欲なのだろう。商売人のラザラスの人の見る目は確かなだったそこは深層心理を巧みに扱っているのはイギリス風のジョークなのだろう、今回も面白く楽しめた、ヘイスティングスいてのポアロだし一層光るのだろう2021/02/23
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