出版社内容情報
クラスの気になる同級生、いつもと何か違う家族、ノートに返事を書いてくれる誰か、おしゃれなあの子。多様性をテーマに『ちょっと気になる人』を描く4つの物語。
内容説明
あの人のこと、そして自分のこと。物語を君色でみつめて。
著者等紹介
佳奈[カナ]
広島県生まれ。イラストレーター、漫画家。柔らかなタッチと、人物の感情があふれ出す瞬間の表現が魅力。書籍装画、挿絵、マンガ、MV用イラスト、グッズデザインなど、多方面で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
57
多様性という言葉。まさに、その言葉の理解・捉え方自体が多様だと思う。そんな視点での物語集。どの物語も、素直にいいなあ~と思う。ふと思う。そう思える間は、まだまだ大丈夫なんだろうと。まずは、受けいれること。そして、自分なりに解釈すること。「違い」と「差」の捉え方にもつながる。一人一人の価値観が試される。2023/07/05
ゆのん
53
4人の作家による『多様性』をテーマにしたアンソロジー。児童書や絵本、YAといった作品を多く描く作家陣。本作も10代向けの内容となっている。白い傘を恋人として大切にする対物性愛者。コロナの為にリモートで仕事をする両親の知らなかった一面。『好き』という気持ちが色々ある事を知る可愛らしい話。人から『普通』と見られるよりも自分の人生を自分らしく生きようとする少年。自分とは違う一面を目にした時どう感じるのか。『普通じゃない』と思うのか、色々な人がいる事を理解しようとするのか。大切な事を教えてくれる素敵な本だ。2023/06/02
ぶんこ
49
4人の作家さんのショートストーリー。どれも良かったのですが、特に心に響いたのは魚住さんの「Hello Blue!」の男の子。おばあさんが入院して洋品店を廃業することになり、業者が服を引き取りに来る間店番をする蒼君。黒いスカートを穿いている。蒼君が『自分を生きるのは自分』と言った言葉が心に響きました。知り合った子に似合う服を整えるスタイリストのようで、人の目線を気にせずに好きな服を着ている幸せを思う。4作とも最後の文のページを捲った先に1行だけの言葉が現れて印象的。2022/09/21
うー(今年も遅くなります)
27
児童文学界で著名な4人の作家さんたちの【多様性をみつめる】短編。一話目、自分が知らなかった対物性愛者の話に面食らってしまう。わからなくても良い、心が揺らいでも良い、自分は自分なんだ。サラッと読めて、でも何かに触れられたような気がした。2022/02/23
ふう
26
戸森さんの名前を見て。多様性が共通のテーマらしいが、周囲を優しく受け入れる、自由な心のありようが穏やかな読後感をもたらしてくれる。2024/04/02