出版社内容情報
芥川龍之介のユーモアたっぷりの名作を絵どうわに。地獄に落ちた、かんだだ。お釈迦さまは、極楽から救いの糸をたらすが…。
著者等紹介
芥川龍之介[アクタガワリュウノスケ]
1892年~1927年。東京都生まれ。東京帝国大学英文科卒業。在学中、菊池寛らとともに同人誌「新思潮」に参加し文学活動をはじめ、夏目漱石の門下に入る。「羅生門」「鼻」「芋粥」を発表し、新進作家として認められ、多くの作品を発表
深見春夫[フカミハルオ]
1937年、東京都生まれ。絵本、さし絵を中心に活躍中
宮川健郎[ミヤカワタケオ]
1955年、東京都生まれ。立教大学文学部日本文学科卒。同大学大学院修了。現在武蔵野大学教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
18
作品そのものは名作なのですが、子どもたちに親しみを持ってもらおうとの思いが、ミスマッチになっているような気がします。 絵を描いた深見春夫さん。「あしにょきにょき」のインパクトが強すぎです。足がにょきにょき延びたら、腕がにょきにょき延びたら、糸がなくても天国に手が届きそうです。 本文に付された事細かな説明。ここまで細かく説明しなければ名作が楽しめないのでしょうか。ある程度は、文章と想像力でカバーできる例が多すぎです。 むしろ、解説文にこそ補足が必要だと実感しました。 2020/06/28
ニャーテン
9
9歳息子の学校行事の題材になった名作。自分だけ助かりたい犍陀多の気持ちもわかる、でも、他の罪人たちと共に蜘蛛の糸を登り続けることが正解とも思えず…初めて読んだ時から解釈をまとめられずにいたけれど、前に見かけたコメントの「悪人には絶対に辿り着けないことを説いた話」が私的にすごく腑に落ちた。美しい日本語の短いお話から受け取るものは深い。「全員極楽に行っちゃったら大変なことになるよね」と極楽の心配をしていた怖がりの息子には、このコミカルな絵の深見さん版があってよかったな。物語の世界観を大事にするなら他を。2025/05/15
遠い日
7
「はじめてよむ日本の名作絵どうわ」シリーズ2。芥川龍之介の名作「蜘蛛の糸」。久しぶりに読み直してみれば、お釈迦様の慈悲もなんだか犍陀多を試しているような印象も受けます。そして、悪人というものをやはり考えざるを得ません。悪人というより人間のエゴの醜さについてでしょうか。2024/03/02
タンタン
5
教科書のように、下段に言葉の説明があり、小学生でもよくわかる。深見春夫のおおらかなイラストも良い。宮川健郎の解説も◎2024/09/22
しげ
4
小学二年生の子どもと読みました。ページの下部に解説がついているので、わからない言葉につまづくことなくスムーズに読み進めることができました。最近、災害時の物資の奪い合いや、火事場泥棒について考える機会があったので、なんだかタイムリーでした。気まぐれに蜘蛛の糸をたらすお釈迦さまこそ、誰よりも残酷な気がしないでもないです。2024/01/04