出版社内容情報
いじわるをした、された経験は誰しもあるでしょう。“いじわる”を哲学的に分析した本書。人が人にいじわるをする理由とは?
ドゥニ・カンブクネ[ドゥニカンブクネ]
ギヨーム・デジェ[ギヨームデジェ]
伏見 操[フシミミサヲ]
内容説明
「いじわる」は、暴力的な集団だけで起こるのではありません。ごくふつうの人々の、ごくふつうの関係において、日常的に見られるのです。哲学者ホッブズはこう言いました。「万人は万人に対してオオカミである」と―これは、本当なのでしようか?
目次
1 お説教は役立たず?
2 いじわるの種類
3 本当にゆるせないこと
4 人はみんないじわる?
5 いじわるのよい面とは?
6 哲学にとってむずかしいこと
7 よくない選択をしたのは、だれ?
8 未来のことを考えよう
著者等紹介
カンブシュネ,ドゥニ[カンブシュネ,ドゥニ] [Kambouchner,Denis]
哲学者。パリ第1大学教授。デカルトなど17世紀の哲学を専門とする。教育、現代文化に関する著作多数
デジェ,ギヨーム[デジェ,ギヨーム] [D´eg´e,Guillaume]
画家、イラストレーター。書籍や新聞に挿絵を描いている。また編集者、中国研究家、キュレーター、ストラスブール高等美術学校教授として、さまざまな分野をまたにかけ、活躍している
伏見操[フシミミサオ]
1970年生まれ。英語、フランス語の翻訳をしながら、東京都に暮らす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
90
なるほど。いじわるをする人はそういう人なんだ。上手く訳されていて分かりやすい。「人を憎んだり軽蔑したりする人たちのことを思い出してみよう。軽蔑したり、差別したりする人も、周囲の幸せは願っている。ただしその対象は、自分の仲間だけに限られていて、それ以外の人は苦しんでもかまわないし、そう感じることになんの疑問も抱かない」p78 ここを読んで『最初の質問』の一文を思い出した。「あたなにとって わたしたち とは、誰ですか」いじわるは自分を正当化するところにある。絵がシュールでハイレベル。難しくても読んで欲しい。2018/05/30
にこにこ
9
とてもいじわるな子がいて、かなり陰険な行動をしているので理由がわかるかも?と思って読んでみた。『教養や知性のなさよりも、知ることへのかたくなな拒否』ということで他人の痛みを知ることを拒否しているのかな?と思ってみたり。でも自分が恥をかかされたり不利益を被ることには敏感で抗議する。そういう自分をないがしろにされたことを『悲しい』と思うより『怒り』を感じる回路なんだろうなあ。イジワルはだれでもすることがありうるとして、相対的に陰険さが目立つということを思えば『知恵が回る』が『立ち回りが下手』と言えるかも。2019/02/10
遠い日
9
人がいじわるな行為をするとき、相手にネガティブな感情を持つ。そのさまざまな感情によって、いじわるの種類やしつこさが変わってくる。憎悪と軽蔑ではまたそのベクトルが違う。憎悪の方が相手に対する粘着が強いのだ。いじわるはある集団に属している者の、敵対者の発見、位置づけによる。自分はその集団で守られているから怖くないし、恐れることもない。いじわるは人が生きる限り、きっとなくならない。2017/01/26
a
2
誰でも危険をはらんでいる。2021/11/08
Saeko
1
読んでよかった、わたしがつらく当たられているのは、わたしのせいじゃない。2025/11/06




