内容説明
チュンセ童子とポーセ童子は、ふたごのお星さま。夜空の星めぐりに合わせて、ひとばん銀笛をふくのが、天の王さまからいただいた役目。そんなふたりに起こる、小さな二つの物語。
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
1896年岩手県花巻市生まれ。盛岡高等農林学校卒業。1924年詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、1933年9月21日、病気のため三七歳の若さで亡くなる。数多くのこされた、すぐれた詩や童話が、没後、整理・出版され、いまもなお多くの人びとに読みつがれている
あきやまただし[アキヤマタダシ]
1964年東京都生まれ。『ふしぎなカーニバル』(講談社)で第十四回講談社絵本新人賞、『はやくねてよ』(岩崎書店)で1995年度日本絵本大賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てんちゃん
32
今回も宮沢賢治とは分かりあえないのではないかと構えていたけど、肩透かし。アクがなくて読みやすい絵本だった。威張ることを嫌い、純粋無垢に人のために生きたいと願う賢治の精神は健在だが、悲しみや怒りは少なく、作品におおらかさとほのぼのとした明るさがある。しかし、読みやすさと引き換えに、物足りなさも多少感じてしまう。なかなか難しい。宮沢賢治十番勝負、第三番。2016/06/15
このえ
17
★★★☆☆チュンセ童子とポウセ童子というふたごのお星さまは、毎日向かい合ったお宮にきちんとすわり、星めぐり歌に合わせて一番銀笛を吹いている。ある日、大がらすとさそりが争い、傷ついてしまう。優しいふたりは十倍も大きなさそりを抱えて家まで送ってあげようとする。いつもの時間に間に合わない。そのときいなづまがひかり、助けられる。またある日、だまされ海の底にしずんでしまうが、うみへびや海の王に助けられる。優しいふたりは、今日も銀笛を吹いているだろう。2020/08/16
ほのぼの
12
ブックトークのために読む。この話にも他のためにがんばる精神が出ていました。雨にも負けずにどれでもつなげそうな気がする。2016/01/22
hiichi
12
これ買う!!と小学校2年生に言われ、まだ宮澤賢治は早いんじゃ…と思いましたが、単語の解説が下段に並び、読みやすい一冊でした。この二人はとにかく優しくて、自分たちを犠牲にしてまで人助けをして、それをお空の王さまはちゃんとみてるんだね。とは、娘の感想。賢治独特のテンポよい詩がちりばめられていて、とても素敵なお話でした。2014/05/03
サウスムーン
8
宮沢賢治作品。チュンセ童子とポウセ童子という双子のお星さまの善行物語。さそりには自己犠牲を伴う行動。意地悪なほうき星の嫌がらせにも屈せず、海の底でひとでになることも厭わない。控えめで勇敢な双子に拍手。2018/10/24