内容説明
字が読めなかったぼくが本を好きになったわけ。字を読む指導をしてくれたリトル先生とダグラス少年の心温まる物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
97
アメリカ人作家ダグラス・ウッドは本が読めなかった。字がぐにゃぐにゃの線に見える。他にもADHD所以の生きづらさを抱えてイライラしていた。そんな彼に寄り添い教えるリトル先生。彼はとうとう本の素晴らしさを知る。少年が向き合う世界が、明るく拡がる爽快感。リトル先生とのあたたかな繋がり。それが本に溢れていた。品川裕香さんの「訳者あとがき」も良かった。「だれにでも大人になるまでに3人のカリズマティック・アダルトがいる」という。私にとっては誰だったのだろう。そして私は誰かのそんな存在になれるのだろうか。2021/05/11
みゃーこ
79
「誰かのカリズマティック・アダルトになることの意義。人間には一人一人見え方、聞こえ方、感じ方の特性、学習スタイル、短期記憶の良し悪し、情報処理パターンの多様性があるという事実を踏まえた上でどうしたら可能性を活かせるか、ニーズは何か、を障害名ではなく目の前の一人に焦点を当て何が出来るかを根気よく教えた」リトル先生に感動。2013/07/23
ゆか
42
お気に入りさんの感想を見て。よかったです。本来教育とは、こうあるべき。今の日本では難しい。まず「ゆっくりやって」とは、いってもらえない。娘が三年生の時、先生からいわれた言葉「ある程度で妥協して、早く仕上げることを第一に考えて下さい」今は、早く、すぐにが大事。字を読めるということが、本を読むということで、本を読めば、世界中を探検することができる。こういう広がりがあるのに、今の教育は、即役に立つか、否かで判断だもの。人材は、育たなくて、当然だと思う。2015/08/21
gtn
34
一日、二日ならできるかもしれない。だが信念をもって一人の人に情熱を注ぎ続ける覚悟がなかったため、私には教員になるという選択肢はなかった。著者は、たまたま、そんな先生に出会い、何人も得られぬ幸福を得る。幸せは富や名誉ではない。代えがたき人との縁であることを再認識する。2022/12/27
たまきら
32
ADHDなんて言葉はまだなかったけれど、多少なりともその症状が見え、苦しんでいる子供たちは(私も含め)昔からいたと思う。そしてこの本の後書きで紹介されているようにカリズマティック・アダルトとの出会いが私たちを変えてくれるのだと思います。私を導いてくれた多くの素晴らしい指導者たちに感謝しています。そしてこれからもよろしくお願いします。2024/05/27
-
- 洋書
- Wombat