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出版社内容情報
独立戦争当時のしきたりが残っているヘンショー郡で,黒いマントに白い顔,コウモリに化ける悪魔がいるという噂が…。他2編収録。 小学生高学年から
内容説明
独立戦争当時のしきたりがいまだに残っている、由緒のふるい部落、ヘンショー郡では、黒いマントに白い顔の悪魔が岩の割れ目から飛びだして、コウモリに化けるという吸血鬼のうわさが信じられていました…。ヘンリー・カットナーの表題作「吸血鬼」のほかに、クロスの「ガラスの眼」、ジャコビの「黒い告知」の2編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
67
怪奇小説アンソロジー八巻目。今回は主に吸血鬼小説を集めたものとなっている。読んでいて楽しいのは何と言ってもヘンリー・カットナー「吸血鬼」。オチは読めるものの、殺人鬼一家(?)の家に迷い込んだ旅人が遭遇する恐怖というかゴシックやホラーのパロディとなっているな。カール・ジャコビ「黒の告知」は打って変わって正統的な吸血鬼小説。謎めいた本、廃園に佇む美女と雰囲気をこれでもかと盛り上げてくるのが最高。唯一吸血鬼ものではないジョン・K・クロス「ガラスの目」だが、内容は乱歩を思わせる作風。相変わらず名作揃いでした。2024/08/08
藤月はな(灯れ松明の火)
57
テキサスにお似合いのチェンソーな某ホラー映画を彷彿とさせる家族の元に迷い込んでしまった夫婦。だが、色々とショッキングな場面が展開されるのに夫婦はどこかに気を取られてのんびりしている違和感。彼らが恐れていたものが明らかになった時、題名にそれが付けられた意味が氷解する巧みさよ。「黒の告知」はオーソドックスな吸血鬼ものだが、吸血鬼ではなく、本が魔の入り口になるのがユニーク。一方で「ガラスの眼」は異色作だ。本質を間違ってしまう女性が恋したのは優れた腹話術師だった。だが、恋故の行動が独善的で余りにも居た堪れ過ぎる!2024/09/27
Kouro-hou
22
児童向けにリライトした怪奇小説アンソロジー全集8/10。表題作は「ヘンショーの吸血鬼」で知られる作品。嵐の夜にベタベタな住人経営のベタベタな怪奇ホテルにやってきた再婚カップルのお話。「ヘンショー…」では最後の方に「ここでボケて」みたいな突っ込みが入るが、こっちには無かった。ジョン・K・クロス「ガラスの眼」はヒッチコック劇場の「義眼」としても知られるエピソード。非モテのハイミスがハンサムな人形腹話術士に惚れて熱烈おっかけ。怪奇色のオチもいいが、おっかけ中の話が痛くて悲しくて泣ける。いや、いい話ですよ。2015/11/21
くさてる
20
児童向けホラーアンソロジー八冊目。カットナー「吸血鬼」は魔夜峰央の短編の元ネタだと思うけど、この軽さと不思議なコミカルさを抜いて漫画にしたのはさすが。わたしはどちらも好きです。クロス「ガラスの目」の忘れがたい奇妙さも良かった。ジャコビ「黒い告知」はオーソドックスな吸血鬼譚で、変わり種を読んだあと、これで〆られる構成は好き。2024/09/07
奥山 有為
13
3話収録、どれも面白かった!表題作のオチが早々に読めてしまったけど。このシリーズ、訳者の解説が児童向けなのに物凄くしっかりしている。解説につられてトワイライトゾーンの映画見てしまった。おもしろかった。2016/11/22