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出版社内容情報
ピークスビル村では,人が死んでも「よかった」と言う。なぜなら人の心を読むアンソニー坊やを怒らせると…! 表題作他3編収録。 小学生高学年から
内容説明
ピークスビル村の人びとは、アンソニー坊やに心のなかを読まれないように、たえずビクビクして生活しなければなりませんでした。もし読まれてしまったら、どんな悲惨な目にあわされるかわかったものではないのです!表題作のほかに、ロード「メリフロア医師の最後の患者」、ニール「鏡よ鏡」、ミドルトン「幽霊船」の3編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
69
「このシリーズ物は読者の恐怖耐久度を更新する為に編まれたのか?」と疑いそうになった表題作。村人はアンソニー坊やを恐れている。その理由が徐々に明らかになっていく村の状況、過去のアンソニー坊やの所業が仄めかされるにつれてこちらも震えが止まらない。自己生存に長けて善悪の基準を設けられない無垢さは害悪だ。また、気に入らないと感じた人間へアンソニー坊やが何をするのかが明確に示されない所がまた、恐ろしい。元の生活を知っているが逃げ場も更新の手段もない大人の方がよっぽど、辛いのがまた・・・。2024/09/01
HANA
60
シリーズ三冊目。表題作の怖さが只事では無い。どこか能天気な題名とは裏腹に、全編が逃れようのない絶望感、無力感に覆われていてそれでいて陽気に過ごさないといけないという地獄。夜にテレビの前で集まる場面のインパクトたるや…。大人でもこのインパクトなのに、子供読んだら泣きそう。「鏡よ鏡」もサイコパスめいた人間の恐ろしさを見せつけられるし。イギリスの田舎町に吹き寄せられた幽霊船とそれに纏わる騒動をユーモアたっぷりに描いた「幽霊船」を読むと、幽霊と暮らす人間の方が余程魅力に満ち溢れているよう。いや、本当に怖かった…。2024/06/08
あたびー
32
この巻は未読の作品ばかりでお得だった。ジェローム・ビグスビー「今日もいい天気」おや?と思った通り映画「トワイライトゾーン」のエピソード。しかし映画よりこちらの方が数段怖い。何しろ家族だけでなく村ごと支配されて、あまつさえ異空間に切り離されているのだから。リチャード・ミドルトン「幽霊船」ほがらかホラーで明るい気分になるが作者は若くして自死を選んだのだとか。悲しい🥺ミンドレッド・ロード「メリフロア医師の最後の患者」病状から何となく😁ナイジェル・ニール「鏡よ鏡」裏返しのルッキズムが不快。2025/03/21
くさてる
21
児童向け恐怖アンソロジー3冊目。なんといってもビクスビーの表題作が怖くて厭で後味が悪くて良い、と思ってたら、ラストのニール「鏡よ鏡」が同じくらい厭だった。素晴らしい。ブラッドベリの「びっくり箱」を思い出す作。その中で、どこか呑気で陽気な幽霊たちの姿が楽しいミドルトン「幽霊船」も良かったです。2024/09/07
Kouro-hou
21
児童向けにリライトされた怪奇小説アンソロジー全10巻の3。表題作はなかなか強烈で、生まれた時から全能超能力者のアンソニー坊や(3)が君臨する小さな世界のお話。読心術で周囲の心を読んで良かろうと思ってロクでもない結果になり、気に入らないモノはゴミも住民も全部トウモロコシ畑のゴミ捨て場にポイ。夢も希望もありません。その後のユーモア調のミドルトン「幽霊船」等で若干口直しをした後には、ナイジェル・ニール「鏡よ鏡」というお子さんには激烈に効きそうな悪意と嫉妬のトラウマ物件を収録。いやあ恐ろしい。(褒め言葉)2015/11/18