内容説明
アンという女の子が私たちを幸せにする理由。『赤毛のアン』の新しい魅力を発見する楽しみとは…。NHK朝の連続ドラマ「花子とアン」のヒロイン、翻訳者・村岡花子の生涯も紹介。
目次
『赤毛のアン』の読書会事始め
アン、ことばを熱愛する
まず内側から
アンが愛した聖書のことば(主の祈り)
マリラ、新しい愛の出現
マシュウ、神の愛
ギルバート、赦しと和解の物語
牧師夫人モンゴメリという人生
村岡花子とアン
天国をこころに持つ
新しい朝
道の曲がり角
著者等紹介
宮葉子[ミヤヨウコ]
東京・国立生まれ。立教大学卒業。会社員、出版社勤務を経て、フリーのライターに。「向島こひつじ書房」の名で、大人のための読書会や、子どもの本のワークショップなどを行う。東京・墨田区にある墨田聖書教会の石川良男牧師と結婚後、聖契神学校で学び、’08年より女性の心の再建を支援する「pray&hopeプロジェクト」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
43
聖書の言葉と共に赤毛のアンの魅力を紐解いた本です。登場人物、作者、訳者の3人のそれぞれの生き方に光を当てているのもいいですね。赤毛のアンの愛読者だからこそこの作品は作れたのだと思います。聖書の言葉が添えられていますが、キリスト教色は強くなく、赤毛のアンの世界の雰囲気を味わえます。アンがわたしたちを幸せにしてくれる理由がギュッと詰まっていると思いました。2014/08/26
くみ
19
前半はアンと登場人物たちとの回想、後半はモンゴメリや村岡花子先生の生涯にスポットを当てたエッセイ。マシュウとアンのシーンは何度読んでもじわっと暖かく込み上げてくる。そしてリンド夫人に対する考察は考え深かった。真面目な人ほど「義を通しすぎるあまり人を裁いてしまう」のは心に残りました。また聖書は人を批判するものではなくて、自分を振り返るものという言葉も今、聞けてよかったと思う。驚いたのはモンゴメリの生涯。正に命がけで続けた創作活動。「マリラの境地にはなれなかったモンゴメリ」の言葉に胸が締め付けられました。2019/09/23
まゆら
8
赤毛のアンを読んでいると、聖書からの引用やキリスト教との深い繋がりが作中に垣間見える。作者のモンゴメリは牧師夫人で、訳者の村岡花子もキリスト者であり赤毛のアンを読む時キリスト教の存在は無視出来ないところにある。著者の宮さんも牧師夫人であり、モンゴメリと同じ牧師夫人としてアンをどのように読むのか気になって読んでみた。アンの世界は明るくかわいいだけの世界ではなくて、物語の終わりで大切な人を失ったアンが「神は天にいまし、世はすべてこともなし」と呟く場面が印象的。信じるものがあるアンは常に前を向けるんだなと。2018/04/26
南由
5
神のなさることは、すべて時にかなって美しい。伝道者の書3-11 主の祈り 愛のない者に、神はわかりません。なぜなら神は愛だからです ヨハネ手紙1 4-7.8 私の目には、あなたは高価で尊い。イザヤ43-4 赦しなさい。そうすれば、自分も赦されます。与えなさい。そうすれば、自分も与えられます。ルカ6-37 神は、実にそのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠の命をもつためである。ヨハネ3-16 曲がり角をまがった先には‥2021/06/13
mia
5
実は『赤毛のアン』をきちんと読んだことがないのですが、素敵な装丁が気に入って購入しました。「曲り角をまがったさきにはなにがあるのかは、わからないの。でも、きっといちばんよいものにちがいないと思うの。」こんな前向きな言葉がたくさん散りばめられているのなら…と『赤毛のアン』を読んでみたくなりました。2014/10/14