出版社内容情報
《内容》 有史以来3千年,人類はいかにしてインスリンを手に入れたのか? 糖尿病から人類を救うことになった「バンティング・ベストの奇跡」はどのようにして生まれたのか? 人々はどのように糖尿病に挑戦し道を切り開いてきたのか? インスリン発見80年,糖尿病学史の泰斗がおくる畢生のインスリン物語!
《目次》
【糖尿病と戦う】 『パピルス・エベレスの処方』/スシュルタの蜜の尿/気あふれて消渇となる/患者の尿を見る/飲む水より多い尿/パンクレアス―すべて肉なるもの(略) 【糖尿病に挑む】 (略)膵臓が注目され始める/酸素による燃焼/病気の座はどこにあるのか/本間玄調が経験による症状を書く/緒方洪庵の『扶氏経験遺訓』/糖尿病昏睡の大呼吸/内部環境の恒常性と内分泌/魔法の島を発見したランゲルハンス/ミンコフスキーらの膵臓全摘出糖尿病の発見/原因を膵島とつきとめたアメリカのオピー/膵臓内分泌説への賛否両論/バンティングらのインスリン発見に向けて 【インスリンの発見】 バンティングとベストの最初の報告/最初の奇跡/運命の女神に魅入られて/マクラウド教授との出会い/発見/マクラウドの手記/インスリンを発見したという他の人々/インスリンを糖尿病の人の手に/インスリンの単位/コントロールの原則を求めて/理想と現実のはざまで/まだ消えない生命への脅威/網膜の血管が変化して出血する/(略) 【その後の研究と新しい発見】 (略)インスリンの分泌/なぜ糖尿病になるのか/糖尿病の合併症はなぜ起きるのか/血糖コントロールは合併症を防げるか/移植によるインスリン治療の新しい試み
内容説明
失明、尿毒症、神経障害、感染、壊疽…糖尿病の惨禍が人類を襲う。「地球上から糖尿病を根絶する」というバンティング、ベスト以来の人類の悲願は果たして実現されるのか。壮挙と希望と挫折が渦巻く糖尿病根絶への戦いの軌跡を、医学史と臨床の新たな視点で赤裸々に語る。
目次
1 糖尿病と戦う(『パピルス・エベレスの処方』;スシュルタの蜜の尿 ほか)
2 糖尿病に挑む(ガデスデンのジョン;ヴァレンティンの三原質とアルケウス ほか)
3 インスリンの発見(バンティングとベストの最初の報告;最初の奇跡 ほか)
4 その後の研究と新しい発見(膵島は全部集めても一グラム;インスリンの構造 ほか)
著者等紹介
二宮陸雄[ニノミヤリクオ]
1954年東京大学医学部卒業、同大学生物系大学院修了、医学博士。アメリカ糖尿病学会研究員、トロント大学ベスト研究所員、同大学教授職を経て、千代田区に内科診療所を開く。東京大学、筑波大学で西洋古典語を教える
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