決められない患者たち

グループマン，ジェローム〈Ｇｒｏｏｐｍａｎ，Ｊｅｒｏｍｅ〉/ハーツバンド，パメラ【著】〈Ｈａｒｔｚｂａｎｄ，Ｐａｍｅｌａ〉/堀内 志奈【訳】

医学書院（2013/04発売）

• サイズ 46判／ページ数 386p／高さ 20cm
• 商品コード 9784260017374
• NDC分類 490.14
• Cコード C3047

出版社内容情報

悩む患者。主義を貫く患者。いつまでも決められない患者。医療上の決断に際して、患者は何を考えているのか？心理学、統計学などの研究を紹介しながら、患者の内面を分析していく、ハーバード大学医学部教授によるルポタージュ。

内容説明

処方通りに薬を飲む患者と飲まない患者の違いとはなにか？；ベストの医師は存在するのだろうか？「自己決定の正しさ」は、患者のためになっているのだろうか？ハーバード大学医学部教授による、患者と医師に密着したルポルタージュ＆行動分析研究の紹介。

目次

１章　私は数値でいうとどのあたり？
２章　信じる者と疑う者
３章　でも、それは私にとってベストなのだろうか？
４章　後悔
５章　隣人のアドバイス
６章　自主性と対処
７章　現実世界での意思決定分析
８章　人生の終焉
９章　患者が決定できないとき

著者等紹介

グループマン，ジェローム［グループマン，ジェローム］ ［Ｇｒｏｏｐｍａｎ，Ｊｅｒｏｍｅ］
米国で医師として働く。ハーバード大学医学部教授。ボストン在住。「ニューヨーク・タイムズ」「ウォール・ストリート・ジャーナル」「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」などで多数の執筆活動を行っている。「ニューヨーカー」誌ではスタッフライターを務め、同誌のベストセラーに選出された『Ｈｏｗ　Ｄｏｃｔｏｒｓ　Ｔｈｉｎｋ』（邦題：『医者は現場でどう考えるか』石風社）をはじめ、優れた著作を刊行している

ハーツバンド，パメラ［ハーツバンド，パメラ］ ［Ｈａｒｔｚｂａｎｄ，Ｐａｍｅｌａ］
米国で医師として働く。ベス・イスラエル病院に勤務。ボストン在住。「ニューヨーク・タイムズ」「ウォール・ストリート・ジャーナル」「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」などで多数の執筆活動を行っている

堀内志奈［ホリウチシナ］
医師（消化器内科）、医学博士。東京生まれ、札幌育ち。札幌医科大学卒。Ｂｕｒｎｈａｍ　Ｉｎｓｔｉｔｕｔｅ　ｆｏｒ　Ｍｅｄｉｃａｌ　Ｒｅｓｅａｒｃｈ（現Ｓａｎｆｏｒｄ‐Ｂｕｒｎｈａｍ　Ｍｅｄｉｃａｌ　Ｒｅｓｅａｒｃｈ　Ｉｎｓｔｉｔｕｔｅ、米国サンディエゴ）留学後、都内の病院、クリニックに勤務（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[DEE]

治療や環境の選択肢が多いというのも悩ましいものだ。 医師も完璧ではないし、最後はやはり患者の意思が尊重されるべきだとは思う。 でも生前に、ここまでの治療は希望するけどそれ以上はしないでくれと書面に残したところで、その通りにはいかないのは日本もアメリカも同じ。 病状はもちろん、患者本人の病気に対する姿勢も常に流動的だから。 治療や延命にどこまで人の手をいれるか、正解なんてないのかもしれない。

2017/04/20

[飯田健雄]

生きたいと思いつつ、焦点化現象（病気になって、失われるかもしれない機能）にさらされず、いきていこうと思いました。

2015/05/22

[teddy11015544]

勉強のために読んだが、なかなか面白かった。アメリカと日本では違いがあるものの、一定の傾向は同じ。日本がだんだん追いついてくると言ったところ。ただ患者が専門論文まで読みこなすのは日本ではまず無いが、これからはそうなっていくのだろうか？

2013/05/27

[てぬてぬ]

患者の意思決定について。結論は書かれていない。個々の例から各自が考えるための症例集。患者は可用性バイアスの影響を受けやすい。

2020/05/03

[Miwa]

医療現場における意思決定が具体例や先行研究を交えて紹介されていてわかりやすい一冊。不確定性が高く、故に合理的な決断が難しい状況の中で、人にとって何が最良の選択となるのかについて考えるヒントを与えてくれる。正解がない問なので、今までわかっていることをもとに、自分はどう支援をするのかを考え続ける必要があるんだろう。 巻末に参考文献も豊富にあるので、深く学びたい人にもおすすめ。

2015/03/23