内容説明
生きることの尊さ、愛することの美しさを語りかけてきた児童文学者が贈る、命と心をみつめた最新エッセイ。
目次
第1章 命(命と心と;樹齢七千年の杉;肉体の神秘;輝かしい最後;命の木;港町の老夫婦;未来と今と;ありふれた暮らしの中で;ヒューマニズムの火)
第2章 心(悪童からの変心;心に金の鈴を;本ものの人たち;広い心;孫と祖父母たち;魚の住む海と魚の住む川;心の闇の森)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねここ
2
椋鳩十は、絵本で何度か読んだことがあるが、その経歴や人となりはあまり知らなかった。作家の猫、という本で改めて興味を持ち、図書館で見つけたので読んでみた。いきなりからの、長女とモモ(16歳まで生きた猫。その頃では相当な長寿)の話で心つかまれ、母から子へ渡される「金の鈴の音(子守唄や昔語りの母の声)」は、子ども達との貴重だった時間を思い出した。どれも温かな目で命と心と自然を見ておられた。私には豊かな「心の闇の森」(潜在意識のようなもの)があるだろうか。子ども達の心に、豊かな森を作るための種をまけただろうか。2020/01/28