内容説明
本書は、途上国における人口増加の主要因と出生力低下のメカニズムの解明に重点をおき、1980年代末にアメリカ合衆国の調査団体Institute for Resource Development,Inc.が世界的規模のネットワークで比較調査を実施した「人口保健調査」フェーズ1(Demographic Health Survey,Phase―1)の28カ国(アフリカ15カ国、アジア3カ国、ラテンアメリカ10カ国)の個票データを利用し、途上国の現在の出生力の水準・趨勢、さらに出生率に関連のある諸々の近接要因(婚姻、家族計画―避妊、乳幼児死亡、母乳哺育)及び社会経済的要因(所得、女性の教育、就業と出生力との関係)について国際比較分析を行ったものである。
目次
第1章 発展途上国における出生力の国際比較分析
第2章 避妊、母乳哺育、乳児死亡と出生力
第3章 タイにおける結婚行動と再生産行動
第4章 社会経済的要因が及ぼす世帯規模への影響
第5章 女性の教育水準と出生力の国際比較分析
第6章 女子の就業と出生力―アジアの3か国に関するDHSの比較分析
第7章 アフリカ諸国における避妊と出生力に及ぼすマスメディアの影響
第8章 バングラデシュの出生力の推移とパターン
第9章 出生力と社会経済変数の相互依存度―台湾地域への応用