内容説明
第二次大戦当時、世界最大の空母といわれた信濃は、必死の努力により、やっと大戦末期の昭和19年11月に完成した。しかし十分な装備をもたないまま横須賀を出港した信濃は、わずか10日後に米潜により撃沈されてしまった。この幻の空母の設計から沈没までを描く。
目次
第1章 悲運の巨艦信濃の幻影
第2章 超弩級戦艦110誕生への胎動
第3章 110の運命を変えた奇襲
第4章 戦艦から空母への改造命令
第5章 戦艦空母信濃の特徴と弱点
第6章 突貫工事を支えた民間人
第7章 凶運を暗示した進水式
第8章 初出撃で信濃死す
第9章 幻の如く消え去った信濃
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三毛招き
1
ファンには悪いが、人の命と国の金と時間だけを吸い尽くして後には悲しみだけを残す。まるで吸血鬼みたいな艦だ……2014/05/31
ken ken
1
魚雷にやられて沈没した空母信濃に乗っていた祖父がこの本に実名で登場しています。37年位前、小学生のころ実家にお置いてあった本ですが当時難しくて読めませんでしたが、今改めて読んでみてよく生還出来たものだなと思います。戦争の恐怖を身近に感じてしまいます。2014/05/18
Monbe Sakai
0
ミッドウェー海戦の敗因やドゥーリットル空襲が与えた影響がコンパクトに解説されわかりやすかった。 空母の脆弱性を露わにした戦訓を受けてどんなに装備を改善しても海軍の総力を挙げて対潜防御体制を構築しなければ解決できない問題だと思った。2025/04/18
古隅田川
0
この本は朝日ソノラマ航空戦史シリーズに収められている。航空戦史シリーズになぜ、軍艦をタイトルにした本があるのか不思議に思い、読み始めた。 読み終わって、信濃の建造から沈没までの経緯を知り、第二次大戦末期の我が国の悲惨な戦況が強く心に残った。本当に哀しい、哀し過ぎる。こんな悲劇を繰り返してはならないと思った。2023/06/03