内容説明
作家・秦恒平の逍遙する平家物語の世界と、能楽評論家であり能の舞台写真家である堀上謙の舞台写真「カラー」と曲目解説などによってまとめた興味ある内容。世阿弥をはじめ能の作者が描いた『平家』の人物たちの素顔や横顔を、能の宝庫『平家物語』典拠となった平家物語諸本に探訪する、能楽ファン・平家ファン必読の書。
目次
祇王―心に任せぬ此身の習ひ
熊野―またもや御意の変るべき
俊寛―待てよ待てよといふ声も
小督―恋慕の乱れなるとかや
頼政―憂き時しもに近江路や
鵺―仏法王法の障とならんと
実盛―老い木をそれと御覧ぜよ
経政―恥かしや人には見えじものを
清経―偽なりつるかねことかな
巴―薙刀柄長くおつとりのべ
忠度―ただ世の常によもあらじ
敦盛―跡弔ひてたび給へ
通盛―討死せんと待つところに
千手―目もあてられぬ色気かな
藤戸―思えば三途の瀬踏なり
八島―源平互いに矢先を揃え
正尊―鞍馬は判官の故山なり
船弁慶―潮を蹴立てて悪風を吹きかけ
景清―面影を見ぬ盲目ぞ悲しき
大原御幸―その有様申すにつけて恨めし
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クラムボン
13
《能》に断トツに題材を提供しているのが平家物語だそうで、その中から20篇を紹介しています。能の知識はほとんど無いが、掲載された舞台の写真に魅せられ、能への深い思いと平家物語への愛情溢れる文章に、心惹かれました。著者の秦恒平さんは小説家。能の専門家ではありません。ただ、父親は素人ながら地謡の稽古を積み、京都の観世流の舞台に出るほど。その様な環境で幼少期から《能》に親しんでいます。そして根っからの平家贔屓で《総帥の宗盛》が好みらしい。凡庸で情けない御仁です!そんな好みもいかにも京都人だな、と思うのでした。2021/10/01
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