カルカソンヌの一夜―ヴェイユとブスケ

カルカソンヌの一夜―ヴェイユとブスケ

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  • サイズ B6判/ページ数 111p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784255890463
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0098

目次

その夜について(一期一会の十字路;その夜についての証言;対談とその内容)
十字路までの道程(ブスケの軌跡;ヴェイユの軌跡)
往復書簡を読む
その後の二人(ヴェイユの記述と死;ブスケの記述)
おわりに
G・ハーバート「愛」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

兎乃

35
第一次大戦で負傷後、身体の自由を奪われ その死の日まで南仏カルカソンヌで寝たきりの生活を送り ベット上で詩作を続けた伝説の詩人、ブスケ。12歳年下のヴェイユが1942年の春 ブスケ宅を訪問。二人の人生の軌道が交わった一夜、本書はその後の往復書簡が収録されている。ヴェイユからブスケへ3通、ブスケからヴェイユへ2通。動かぬ半身は、そこに在り、そして体の主であるブスケ本人との意思疎通はない。動かぬ半身と共有する“傷と出来事”。伝えるのは 痛みと傷、美しい文体という 体。2015/11/02

いやしの本棚

9
ヴェイユとブスケの魂の邂逅について、五通の往復書簡から考察する一冊。二人の会見の詳細は推測の域を出ないが、ヴェイユからブスケ宛の第三書簡、「死が来るのを正面から見たいのです」と言ったブスケの最期を読めただけで良かった。打ちのめされた。ヴェイユの第三書簡にある彼女の思想は『重力と恩寵』等でまとめられているが、ひとりの人間に宛てて書かれた手紙という形式が、読む者により苛烈な印象を与える。まして名宛人であるブスケは…「死が来るのを正面から~」と言った最期に至るまで、ヴェイユが彼にもたらしたものを考えさせられた。2017/09/08

N.H

1
どんな形態をとっていようと、夢想は虚偽であるということを忘れてはならない。夢想は愛を排除する。しかし、愛こそは現実のものなのだ、という条りは至高。無論、人は夢見ることなくしては生きてゆくことができない。現実に苦痛がある限りは、夢は人の救いになるのだから。ちょうどそれは、マルクスが宗教を「民衆の阿片」と呼んだのと同じように。それは啓蒙によって解消されるようなものではない。夢を見ることは一種の病のようなものなのだろう。問題は、病との「付き合い方」であり、その意味で本書は示唆に富んでいた。何より文章が美しい。2013/11/14

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