内容説明
ギターの名人、道化者、のらくろ者、放蕩者。口から出まかせ放題の揶揄をとばし、周囲の人を魅了してやまない口達者。片ときもじっとしていない活発な情熱で、やがて破滅への末路をたどる天才的な才能。ドイツ・ロマン派の詩人ブレンターノを扱って、現代の詩的批評家エンツェンスベルガーが、26歳のときに書いた卒業論文。
目次
研究の基盤と方法
悲しむ心の子守歌
足萎えの織り工が夢みるとき
荒野の夢
病める心から
ブレンターノの詩的言語の生成
ブレンターノと詩の伝統との関わり方
詩的および経験的意識
ブレンターノの影響と評価
詩的言語の歴史におけるブレンターノの位置