内容説明
摂食障害、ALS、診断がつかない人、治療の道がない人、人種的マイノリティ―頭で理解した「あたりまえ」をすっ飛ばす、生きるための究極の工夫。どんなシビアな意思決定の場面でも、硬くならずにのびのびと「自分の心地よさ」に問いかけることができますように。
目次
第一章 体とまた出会いたい
第二章 脂は敵だから好き
第三章 日常にひそむスイッチ
第四章 帝国主義者のまなざし
第五章 電車の中のチマチョゴリ
第六章 希望と分断のお薬
第七章 グニャグニャでいてやろう
第八章 因果関係の外で
第九章 グレーの中で生きる
第十章 ベールの向こうに
第十一章 自分が花みたい
著者等紹介
伊藤亜紗[イトウアサ]
1979年生まれ。美学者。東京科学大学未来社会創成研究院DLab+ディレクター、リベラルアーツ研究教育院教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学(文学博士)。第一三回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞、第四二回サントリー学芸賞、第一九回日本学術振興会賞、第一九回日本学士院学術奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おたま
51
ここには、「体の居場所」をうまく見つけれない11人の方からのインタビューと、そこから著者・伊藤亜紗がそのインタビューから考えたことが、11の章に渡って書かれている。「体の居場所」とは、物理的に、社会的に、環境と自分の体がフィットしている場のこと。ここには、そうしたフィットする場を得られない様々な人々の工夫が書かれている。工夫が必要になる理由は様々。摂食障害(過食、拒食)、ナルコレプシー、ALS(筋萎縮性側索硬化症)等の障害や病気の当事者や、そもそも病名の分からない人、治療の道が確立されていない人⇒2026/03/29
とよぽん
48
伊藤亜紗さんの着眼点というか、研究者に留まらないヒューマニティーに、まず圧倒された。自分の体が自分の意思にかかわらず思うようにならない人、難病や障害やコロナ後遺症などをかかえて生きる人にインタビューした11の章それぞれに、伊藤さんの探求心と温かいまなざしを感じた。体の居場所=心地よい状態を獲得するために、さまざまな創意工夫が凝らされ、介助者との絶妙なコンビネーションが形成されている。今までほとんど気にかけることのなかった諸々の事柄に目を向けることができた。2026/04/29
ケイティ
33
摂食障害やコロナ後遺症、ALSなど、自分の体がままならない11名の人びとへのインタビュー。何らかの病名や障害を抱える人だけでなく、診断がつかない、治療法がない、人種的マイノリティ意識による影響など想像の範疇を超える困難と共存している人も。特に印象深かったのが、身体症状症の方に芽生えた「欲望」の話に、体が受け身の存在ではないという証明だという著者の示唆だ。11名の生きていくための試行錯誤は、当事者でもそうでなくても、いない人なんていないことを知る、想像するきっかけとなる良書。2026/04/01
kuukazoo
17
障害や難病、人種マイノリティであることによって、自分の「体」そのものや「体」を通した環境との関わりに困難がある時、何とか少しでも楽になれる居方を探そうとする。11人のそれぞれの居方についてインタビューを元にまとめた本。どんなにままならなくても自分にはこれしかないたった1つの体と、時間をかけ、試行錯誤を繰り返し、折り合いをつけていく過程は、もはや知恵とか工夫を超えて生きることそのものに思え、こんなポテンシャルが人のどこから生まれるのだろうと、ただただすごいなぁと驚きの連続だった。2026/04/23
jackbdc
11
著者の本は辛さの中にも希望が見いだせる展開が多いのだが、本書は全体を通じて仄暗さから抜け出せない感じ。読後感は重く辛かった。テーマは心身のズレ。拒食症などメンタル系から難病系の身体系まで、ズレを発生させたと思われる原因は様々だが、語り手の言葉は重くて寄り添う良き聞き手になるには敷居が高め。いつもの伊藤作品と異なり、語り手の意識や行為に大胆に鋭く切れ込む著者の分析もどことなく遠慮がちに感じたし、読者が期待する伊藤流の魔法が作用せず。本の中に読者も入り込み語り手や著者と共感しあえる心の余裕が得られなかった。2026/04/18
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