出版社内容情報
〔内容〕水素分子/元素の周期律/分子性物質/ウィグナー分布関数/理想気体/自由電子気体/自由電子の磁性とホール効果/フォトン/スピン波/フェルミ振子とボース振子/低温の電気抵抗/近藤効果/超伝導/超伝導トンネル効果/他
内容説明
本書では、電子2個を含む体系として具体的には水素原子2個から水素分子が形成されるわけを説明し、パウリの原理を用いて元素の周期律を考察する。量子統計を踏まえて振動あるいは粒子の場を量子化する、いわゆる多体問題の基礎についても述べ、その一つの例として相互作用をもった1次元フェルミ粒子系の励起をボース系として扱う朝永振一郎先生の論文のあらましについて記し、スピンが積極的な役割を演じる体系の例として、近藤効果と超伝導現象の理論の要約を加えた。
目次
水素分子
オルト水素とパラ水素
元素の周期律
分子性物質
密度行列
密度行列の古典近似
ウィグナー分布関数
量子統計
理想気体
ボース‐アインシュタイン凝縮〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PapaShinya
1
戸田さんと言えば、液体論。戸田さんが書く物性論やから液体に詳しいハズ→固体物性の本でした。30講シリーズの”量子力学”が量子力学Ⅰなら、これは量子力学Ⅱ。あるいは量子統計とその応用。分子物性も出てくるが、ほぼ固体物性。それも金属電子論。半導体物性がほぼ出てこない。が、超伝導はやや詳しい。これは、電子というものの非相対論的な本質を詳しくわかりやすく説明したかったからじゃないのかな。と思いました。この本を読んで、自分がどこで躓いたかよくわかった。https://amzn.to/3HfCLvX 2022/06/11