出版社内容情報
ノーベル賞学者I.プリゴジンとその仲間により1999年に刊行された本格的教科書の全訳。5部構成20章で“散逸構造”に辿り着く。〔内容〕熱機関からコスモロジーへ/平衡系熱力学/ゆらぎと安定性/線形非平衡熱力学/ゆらぎによる秩序形成
内容説明
本書は現代科学の基礎として重要な位置を占める熱力学の包括的な入門書であり、斬新かつ魅力的な方法で平衡および非平衡熱力学が統一的に論じられている。自発的に進む不可逆過程とエントロピー生成速度との関係がはじめから導入されており、この関係を用いることによって熱移動や化学反応など、自然の過程が無理なく理解できる。歴史的変遷にもふれており、重要な基本的概念がどのような歴史をもつかを明らかにすることによって、その意義がより鮮明にされている。読者の理解の助けとなるように、例題や演習問題が各章末に配されており、またコンピューターの利用についても配慮されている。
目次
1 歴史的変遷:熱機関から宇宙論へ(基礎概念;熱力学第一法則 ほか)
2 平衡系の熱力学(極値原理と一般的熱力学関係式;気体、液体および固体の基礎熱力学 ほか)
3 ゆらぎと安定性(Gibbsの安定性理論;臨界現象と配置熱容量 ほか)
4 線形非平衡熱力学(非平衡熱力学(基礎;線形領域)
非平衡定常状態とその安定性―線形領域)
5 ゆらぎによる秩序形成(非線形熱力学;散逸構造 ほか)
著者等紹介
プリゴジン,イリヤ[プリゴジン,イリヤ][Prigogine,Ilya]
国際ソルベイ研究所(The International Solvay Institutes,Brussels,Belgium)所長およびテキサス大学統計力学・複雑系研究センター(The Ilya Prigogine Center for Studies in Statistical Mechanics and Complex Systems,University of Texas at Austin,USA)所長。非平衡熱力学、とくに散逸構造の研究に対して、1977年ノーベル化学賞を受賞
コンデプディ,ディリプ[コンデプディ,ディリプ][Kondepudi,Dilip]
ウェイク・フォレスト大学(Wake Forest University,Winston‐Salem,North Carolina,USA)化学科教授
妹尾学[セノオマナブ]
1930年東京に生まれる。1958年東京大学化学系大学院博士課程修了。現在、東京大学名誉教授、理学博士
岩元和敏[イワモトカズトシ]
1948年福岡県に生まれる。1976年東京大学工学系大学院博士課程修了。現在、東海大学開発工学部教授、工学博士
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感想・レビュー
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