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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
陸抗
19
最終巻。タイトルのきみが、個人だったり人類全体の事だったりと、一概にどれと言えないのがまた良かった。ネオテニイとダフネー、どちらが欠けてもこれからの計画は上手く行かなかっただろうし、人類は滅んでいたのかもしれない。統率され窮屈にしか思えなかったコロニーも、蓋を開ければソウイチロウの作った壮大なゆりかごだった。読み終えて凄い満足感。番外編の連載も、楽しみ。2020/12/23
びっぐすとん
15
5軒目でようやくゲット。全く思ってもなかった地球の真実。ネオテニィとダフネーは地球人類を滅亡から救う為、なるべくしてなった進化だった。ジジたちダフネーは一粒の麦であり、アラタたちネオテニィは方舟として、人類の希望を未来へ繋ぐ両輪だったのだ。きみを死なせない、とはとても大きな意味だった。ネオテニィでない人類は狭いコクーンで夢を見ながら未来を次世代に託す。やがてネオテニィが人類の多数を占めるようになった時、人々はアラタたちの後を追い、太陽系を旅立つだろう。その時ダフネーはどういう存在になっているのだろうか?2020/12/23
さとみん
7
心を揺さぶられた最終巻。タイトルの「きみ」とはジジや特定の個人でもあり、ダフネーをはじめとする社会的マイノリティでもあり、人類全体でもある。ソウイチロウはいちばん好きな「P」で呼んでくれる人がいなくなった時に彼の中の何かが壊れたのかもしれない。だけど厳しく人口管理した社会を構築しつつ、人類に地球という夢を見せ続けてきたのは過保護な親心のようでもある。そんな彼の知らないところで人類の変化は始まっているようで、そうした種の変化を生む土壌は多様性だ。最近では珍しいSF少女マンガの完走を見届けられて本当に嬉しい。2020/12/19
チューリップ
6
凄い壮大な話だった。分かりやすいハッピーエンドではないけど色んな希望を感じさせるような終わり方だった気がする。ルイは何だかんだでシーザーの事大切で、シーザーの決断を止める為に密告してしまう所とか好きだったな。停電から一気に真実が明かされていく流れが面白かった。タイトルな色んな人物に当てはまっていて上手いなあと思った。アジアの子供たちの事とかアラタたちの長い旅の行方とかその辺どうなるのかもう少し知りたい気もする。2021/11/06
HIN
3
「この物語は描きたいことを描くので、もし連載が打切りになったら続きは同人誌にして手売りします」 と作者が言ったという、描きたいことを詰め込んだ作品。 『なぜ生きるのか』という問い、ネオテイニやダフネーという種の発生。 「愛」は野蛮なものであるという思想。 すごく考えさせられて、倫理観を何度も確認させられる物語です。作者なりの問題提起がすごい。 骨太なマンガが読みたいという人に勧めたい。2021/09/05