出版社内容情報
いにしえより、その土地に伝わる因習や伝説、言い伝え。それらを無視したとき恐るべき出来事が! ひとの心を震えあがらせる短篇集。
内容説明
現代社会とは無縁と思われる習わしや言い伝え。その禁忌を破ったとき、平穏だったはずの世界が、恐ろしいものへと豹変する―。人の死にまつわる不思議な力を持つ家系に生れた女性の哀しみを描いた、著者のデビュー作「雨女」、その続篇となる表題作など、哀しみと恐怖に溢れる八篇を収録した短篇集。
著者等紹介
明野照葉[アケノテルハ]
東京都生まれ。東京女子大文理学部社会学科卒業。1998年「雨女」で第37回オール讀物推理小説新人賞を受賞。2000年『輪(RINKAI)廻』(文藝春秋)で第7回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
81
ホラー短編集。ホラーというほど怖くはないのだが、地方の因習や閉塞感に息がつまりそうになる。あの世とこの世の境界、暗くじめじめした世界が押し寄せる。「彼岸橋」「雨女」がよかった。表題作「澪つくし」は「雨女」の7年後の話。これが宿命なのか。子どもながらそれを受け入れて生きざるを得ないということを悟る姿にやるせない悲しみを感じた。2019/06/16
アッシュ姉
72
いや、驚いた。既読の明野作品は軽く読めて面白いけど、正直読み応えはなかった。しばらくいいかなと思っていたところ、高橋克彦さんの帯に惹かれて手にして大正解。これまでの印象とはまったく異なる流し読みできない語り口に引き込まれてじっくり堪能。意図せずして、あの世とこの世が交差する闇路へ触れてしまった人びと。怪しげで不穏な気配にぞわりとし、行く末にやるせない哀しみをおぼえる。ホラーというより怪談といった方がしっくりくる雰囲気だが、本当に恐ろしいのは人が隠し持つ心の闇だ。続く➡2017/10/30
チアモン
56
初読み作家さん。ホラー短編集。表紙から怖い雰囲気が分かって読んでみたけれど・・・やっぱり怖かった。独特の世界観がこれまた怖い。他の作品も読んでみたいけれど、他の作品もみんなこういう感じであれば・・・やっぱりやめようかな。2019/02/19
Take@磨穿鉄靴
55
ホラーではあるけど、憎しみや怨みより切なさが一歩前に来てる印象の短編集。最後の「澪つくし」は特に切ない。他どれも楽しめた。映像的なインパクトは「ジェリーフィッシュ」か。個人的にはキレ味のあるラストが好みなので全体的にラストがふんわりボヤけた感じなのが惜しい。★★★☆☆2019/01/11
ミュポトワ@猫mode
30
図書館本。ホラー小説です。後味が悪い話があります…人外が出てくる話ではなくて、村社会や人間関係の憎悪などの人間の中のドロドロしたものが中心です。こういうホラーは読後感が悪いので、あまり好きじゃない…たぶん、私がまだ精神的に幼くて、こういうドロドロしたところから目を背けたいんだろうなぁって思いました。人間、誰しもこの手の感情は持っているものなので、ここを否定すると感情の一部を全否定してしまうことになっちゃうんですけど、どうしてもね…うん、やっぱり嫌いだな…直視できなきゃ成長できないならしなくて良いや…2018/11/21
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