出版社内容情報
シマいちばんの女学校に通う主人公・サンらは、クラスメイトとともに学徒隊として戦地に赴く。戦況の悪化とともに、ひとり、またひとりと仲間を喪っていく中、世界の凄惨さと自己の少女性との狭間でサンは……。
戦争と少女の不朽の名作、文庫版。サイドストーリー「バースデー・ケーキ」を初収録。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ばう
69
★★★★ この本を読めて本当に良かった。太平洋戦争末期の沖縄を舞台に、看護隊として活動する女子学生たちは戦争さえ無ければ美味しいもの、綺麗なものに胸を躍らせて楽しく生きていたはずなのに。夥しい死体やウジ虫に囲まれて食べるものもない毎日、「私たちは想像の繭に守られている」というおまじないを自らにかけなければとっくに発狂していただろう。マチ子さんの絵はリアルなタッチでは無いのに彼女達が置かれた壮絶な日々がこちらにもしっかり伝わってくる。これは沢山の人に是非読んでもらいたい本です。2021/02/12
nyaoko
50
NHKの深夜でアニメとして放送されたのですが、録画忘れ…。即原作買いました。どうやら、原作の方が良いとの事。可愛い絵で、タッチも繊細で柔らかい印象なのですが、中身は残酷で悲しくて絶望と言う名の世界です。これは…確かにアニメではしないだろうなと思いました。痛い事も苦しい事もひもじい事もない世界だったのに。石鹸の優しい匂い。友達と手を繋ぐ。笑う。歌う。走る。恋をする。そんな当たり前の日々を根こそぎ奪った戦争でした。二度とさせない。戦争はさせないと我々は強く長くずっと叫ばねばなりません。読んでない方、是非。是非2025/09/05
ピロ麻呂
33
時代背景などの記述がなく現実と空想が入り混じった世界で、戦争に翻弄される少女たちを描く。ほんわかしていてかわいい絵だけど、グロい描写もあり戦争の悲惨さがとても伝わる。戦争のない平和な時代に、僕たちが生きていること…それはとても幸せなことですね。2019/09/27
紫陽花と雨
20
当たり前の日常を…何気ないことを語り、笑い合い、美味しいものを食べる…そんな日常を、大人が勝手に始めた戦争で奪われて、放り込まれて、そして放り出される。理不尽な世界でも精一杯生きたあの子達のことを、忘れてはいけない。戦争とはこういうことなのだと、突きつけられる 。今を生きる人たちに読んで欲しい。2025/10/07
こうすけ
17
沖縄戦をえがいた少女漫画。あくまでファンタジーとして、面白い。実際はこんなものじゃなかっただろうし、沖縄の人が読んだら色々思うところはあるだろう。それでも、戦争を体験していない世代が、戦争について語り継ぐことに意味がある。2022/06/25
-
- 和書
- 近世 日本史の現在