出版社内容情報
夜毎見る夢は同じだった。それは異次元への扉…。それを開いた美羅と彼の運命は!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
119
表題作の『モザイク・ラセン』が圧倒的。モト様特有の謎めいた導入部からあっという間に物語に引き込まれて、ページを捲るのももどかしく最後まで一気に読んだ。一種のSFなのだが、科学的なディテールにはそれほどこだわらず｢モザイク・ラセン｣という詩的な美しい言葉から広がるイメージをそのまま物語にしたような所が好みだった。華麗で繊細なタッチの美しい絵ながら、「黒の王」のグロテスクさと醜さは迫力があって、萩尾望都がこの世界の光と闇のぶつかり合いから物語を紡ぎ出していることがよく分かる。2016/01/31
あたびー
33
実際読んだのは、プリンセスGOLDのふろくという冊子。幼少時から夢で同じ風景、同じ少年を見るミラ。ロンドンで彼を見つけるも、彼は異世界の引き込まれてしまい、彼を擁護するマニ・ハナの助けで彼を救いに異世界へ行ったミラまでもラセンの向こうへ弾き飛ばされてしまう。（って自分で書いててもよくわからない😅）めくるめくスピードで描かれるファンタジーSFは、三つの太陽のある世界とか、劉さんこれ読んで三体思いついたかと。また、後に半神のテーマとなる結合双生児も出てきたり。実は可愛らしい恋の物語です。2021/08/29
Y2K☮
26
表題作は壮大の一言。初めてドラえもんの劇場版を見た時のハラハラ感を追体験できた。ハムレットとオイディプスが絶妙なスパイスか。「きみは美しい瞳」も素晴らしい。口の悪い粗暴な領主ハプトとそれを嗜める心優しき聖職者メールデール。しかし彼らの見る夢からその隠された実態が浮き彫りに。己の内に巣食う欲望や醜さと直面した時、人はどういう行動を取るのか。気づかぬまま結晶の様な純粋さを一生称えていられる人も或いはいるのだろう。でもそれは欺瞞だ。我々は宝石じゃない。善と悪の両性具有にこそ人ならではの真実の美を見出せるのでは。2018/07/04
マリリン
24
ファンタジーなのか、SFなのか怪奇なのか、他のジャンルなのか...ジャンルはともかく3作品全て面白い。特に気に入ったのは、夢を見せる人間のような妖精のような鳥が登場する「きみは美しい瞳」。夢鳥...心の中は未知...鳥を夢に棲まわせないように。 夢鳥の目の移植は、併読していた作品を思わせたが、この作品の終焉は幻想的で美しい。 表題作「モザイクラセン」...ラセンという言葉がいたる所に登場するが、人の心の中だってラセンの迷路...ラセンならどこかに通じているはず。食の夜明けのシーンが印象的だった。2019/10/30
みのにゃー
9
処分前の再読。自分の本は表題作のみのハードカバー。現代から異次元へ。ＳＦファンタジー。展開が早く、飽きないどころかついて行くのがやっと。女の子が彼を助ける為にがんばる。可愛い。2019/11/10
