感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
114
さすがは手塚治虫と言いたくなるユニークな学園もの。男性の主人公のヤケッパチが、妊娠するという出だしが面白い。ヤケッパチは、自分の分身と呼ばれる存在を産み、それをマリアと名付けて、一緒に暮らすようになる。マリアはお転婆だが、無邪気で心優しく、きれいな女の子になっていろいろな騒ぎを起こす。思春期に誰もが直面する性の問題を、極めて真っ当に描いており、手塚治虫の生真面目な姿勢に感動した。2017/07/28
akihiko810/アカウント移行中
22
暴れん坊の矢八の体から、ある日エクトプラズムが産まれる。それは矢八の父のダッチワイフの身体に宿り、マリアと呼ばれて人間生活を送るようになる。7.5/10点 性教育をテーマに、手塚が少年誌(少年チャンピオン)で70年に連載された作品。世間からの大抗議&有害指定図書指定とのことで、どれだけ過激なのかと思ったが、手塚エロスはあるが全然大したことないと思った。当時は「ハレンチ学園」があったはずだから、もっと過激なこともできたはずだが、さすがに自粛したのか。エクトプラズムとかのオカルト、(続2022/07/23
トリオネア
21
主人公がエクトプラズムを産んだりとオカルトありの、男女の違い、性教育漫画。アポロの歌、ふしぎなメルモと並ぶ手塚治虫先生の三大性教育漫画なのだとか。人相もでてくるけど、手塚先生は人相にも詳しかったのかな?2019/08/13
gtn
20
所々に性教育を挿入しているのは言い訳。人形を恋人にするというのは、いい発想だが、青少年を刺激するエロティシズム漫画。ただ、面白くない訳がない。チャンピオンに連載されたのは1970年。手塚氏不遇の時期。ブラック・ジャックまで、あと3年待たなければならなかった。2024/09/12
kanata
15
父親がこっそり造っていたダッチワイフに乗り移ったマリア。彼女を通して主人公が学んだことは数知れず。お母さんへの思慕が表面化して父親に伝わったり、女子の身体への興味が図解されていたり、乱暴者同士のライバルとの和解の道が開かれたり様々な要素が入っていた。青春期の学園ものとして傑作。2017/11/23