出版社内容情報
自転車をなくして、いつもとちがう時を過ごさなければならなくなった少年の心理を、詩情豊かに描いた絵本。
小学校低学年以上向き
★絵本にっぽん賞★よい絵本選定
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
239
舟崎靖子・文、渡辺洋二・絵。前半は自転車をなくした「ぼく」。そして後半は自転車に乗っていた「ぼく」の回想と現在の「ぼく」。転換点に、トカゲ。志賀直哉の『城崎にて』を思わせる遭遇である。淡々と語られる中にも、巧みにリフレインが織り込まれ、緩やかで柔らかなリズムを構成する。水彩で描かれる絵も、緑と一面に散り敷いた桜が美しく、茫漠たる情景を現出させる。文と絵とが一体となった抒情派絵本。まさに春の光に相応しいか。2026/02/25
hundredpink
26
何がいいのかうまく説明できないけど何かいいという作品。2015/05/11
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
自転車を盗まれた少年、お母さんに言っても新しいものなんて買ってもらえない。トカゲに見られていたような気がした少年はトカゲに八つ当たりする。ぶつけようのない苛立ちを上手く書いた本。【第7回 絵本にっぽん賞】 7分半2019/03/08
ochatomo
14
絵本にっぽん賞受賞作 子ども時代にありそうな悲しみと立ち直りを詩的に綴り、渡辺洋二さんの淡い絵が心情描写にぴったり 舟崎元夫婦でダブル受賞の奇遇(「はかまだれ」) 1984刊2020/08/19
遠い日
9
絵本の体裁だが、短篇小説のような味わい。「ろう石」ということばから、お話じたいはずいぶん古いものなのかもしれないと感じる。束の間鍵をかけなかったばかりに自転車を盗られた少年の後悔や逡巡。大好きな自転車とともにあるいくつもの思い出。八つ当たりしたとかげとの場面は、志賀直哉の「城の崎にて」のワンシーンを彷彿とさせる。自転車がないままのぽっかりと空虚な時間を、とかげのしっぽが象徴する。そして、再び光り輝く時間が戻ってきた少年の心の弾みと満足感。はちきれんばかりの子どもの日々が、眩しい。2015/07/28
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