感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
人生ゴルディアス
4
13世紀から14世紀にかけての、コミューン期と都市評議会期にわかれるプロヴァン都市当局の動向を、会計簿から構築しようとする内容。すごく面白かった。シャンパーニュ大市は毛織物がメインで、都市当局の役人もほとんどがその関係者で、裁判権を伯から請け負うのに予算のほとんどが費やされ、当局の収入も裁判からの収入が大半。さらに役人が毛織物関係者だから自分たちの商売のために裁判権を得ていた感じで、当然運営も毛織物に偏りがち。後々市民と当局が乖離してコミューンが崩壊する原因となった……とか流れがすごくわかりやすかった。2020/08/18