内容説明
就職した会社になじめず退職し家事手伝いとして過ごす日々。そんな私を案じた母の勧めで、叔父の営むキッチンカーを手伝うことになった。しかし、久々に会った叔父さんはクセのかたまり!メニューは風変わりで気まぐれ。イタリアンのシェフなのに、フレンチ風のルーローハン!?そのうえ、探偵気取りで客の私生活を推理したがる―。厄介なシェフとその姪が織りなす飯テロコメディ!(第一回「次世代作家文芸賞」受賞第一作)
著者等紹介
鹿ノ倉いるか[カノクライルカ]
2017年10月より小説投稿サイト「小説家になろう」にて執筆開始。投稿作「時間遡行で学生時代に戻った僕は、妻の恋を成就させたい」を大幅改稿した同作で、一般小説デビュー。2021年、『もうこれ以上、君が消えてしまわないために』(応募時タイトル「君がこの世を去ったあとの世界」改題)で第一回次世代作家文芸賞「一般向けエンターテイメント小説部門」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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よっち
39
就職した会社になじめず一ヶ月半で退職し、なかなか決まらない就職活動をしながら家事手伝いとして過ごす日々を送る咲月。そんな彼女が叔父の営むキッチンカーを手伝う飯テロ小説。シェフだった癖の強い叔父や彼を師と慕う助手の凌平と一緒に、ビフカツサンドや、欧風カレーライス、チキン南蛮、オムライスなど、二週間に一回ジャンルにこだわらない美味しそうなメニューを考案して提供しながら、常連客たちやかつての知り合いとのやりとり、一緒に働く叔父たちのことを知ってゆく中で、少しずつ自分の居場所を見出してゆくとても素敵な物語でした。2023/08/31
ぶんこ
37
2浪までして大学に行き、卒業後に入った会社は1ヶ月半で退社。自分に自信が持てない咲月さんが、叔父のキッチンカーを手伝い始める。提供する料理で、お客さんが美味しいと喜んでくれる。毎日、そんな場面を見ながらの仕事。シェフはどこか抜けているけれど、料理の腕は一流。助手の凌平君も優しい。恵まれた職場といえるでしょう。広報担当としてSNSも活用して盛り上げるのも楽しい。最後に、咲月さんが「私はまだまだ未熟で、自分に自信が持てない。でも少なくとも一年前のように自分がない。」と思えたのは、居場所ができたから。2024/06/17
丸々ころりん
18
咲月は就職2ヶ月足らずで退職 家事手伝いの日々 母の勧めで叔父のキッチンカーを手伝うことに。2週間毎に変わるメニュー お客さんとの交流を通し、働く事•家族・自分の幸せを考える ご飯物語。2023/07/18
こうやん
16
味わい深い作品でした。本屋さんでタイトルを見て、なんとなく手に取った本書でしたが。就職してすぐに会社を退職した咲月が、叔父のキッチンカーを手伝うことになり・・・。都合6種類のメニューが登場、それに関わるいろいろな人間模様が描かれていく。ロードムービー的に具体的な地名を入れると、違う味付けも楽しめたのかも。2023/07/19
荒川叶
15
メニューが2週間で変わるキッチンカー。月曜日にはキッチンカーのメニューが子ども食堂でだされている。 キッチンカーフェスティバルでは子どもをメインにしたメニューが考えられていた。 人と対面で直接食べる食事は大切。また、子ども食堂は今の世の中で得られにくい経験ができる場所になると思う 2023/08/04
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