出版社内容情報
1690年、伝説の切上り長兵衛によって発見されて以来、江戸時代には貨幣改鋳に深く関わり、明治時代には巨大財閥住友の礎として、日本の貿易や近代化にも大きく関わり、1973年の閉山までの283年間にわたり、65万トンの銅を産出した愛媛県新居浜市の別子銅山。
世界屈指の鉱山のある新居浜を舞台に、その周りで活躍した人々とを鮮烈に描く大河小説!
上巻は、鉱山が発見されるより前、新居浜の戦国時代の様子から描かれる。
内容説明
五代将軍徳川綱吉の治世。伊予国新居郡の南にある別子で銅が発掘された。その情報を得た側用人の柳沢保明は、逼迫する幕府の財政を改善するため、銅山の開発を勘定頭差添役の荻原重秀に命じた。彼は諸国の鉱山を歩き廻った後藤覚右衛門を代官に任じる。後藤は、大坂の豪商・住友の分家で、銅業を営む「泉屋」に協力を仰ぐ。それが二百八十三年にわたる別子銅山の歴史の始まりだった。
著者等紹介
井川香四郎[イカワコウシロウ]
1957年、愛媛県生まれ。中央大学卒業。柴山隆司の筆名で書いた時代小説『露の五郎兵衛』で、小説CLUB新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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