出版社内容情報
熊本を舞台に、記憶をめぐり、不可思議な出来事に遭遇する二人の女性を描く。
内容説明
パート勤めの田村裕美は、五年前に結婚した夫の洋平と保育園に通う娘の亜美と暮らしている。ある日彼女は見ず知らずの他人、中野由巳という女性の記憶が自分の中に存在していることに気づく。その由巳もまた裕美の記憶が、自分の中にあることに気づいていた。戸惑いつつも、お互いの記憶を共有する二人。ある日、由巳が勤める会社に洋平が営業に来た。それは…。
著者等紹介
梶尾真治[カジオシンジ]
熊本県生まれ。1971年「美亜へ贈る真珠」で作家デビュー。代表作は『怨讐星域』(星雲賞受賞)、『未踏惑星キー・ラーゴ』(熊日文学賞受賞)、『サラマンダー殱滅』(日本SF大賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中玉ケビン砂糖
46
現在の「私」が夢の中でまったくの他人の過去(正確には過去の他人)をきれぎれに生きており(作中では夢の中で記憶を共有している)、その中で遭遇する殺人を阻止できるか、という設定のSFミステリ。過去の「私」が決定的瞬間に近づくにつれて現在の「私」に段々と追いつくようになっているので、それに伴い刻まれていくサスペンス、テンポの筆致が巧み。こう書くと所詮テキトーな三文要約書評家のそれに帰してしまうが、2021/06/01
くろうさぎ
15
読み始めてすぐ既視感があったので単行本で読んでいたのかも?と思ったけれど、結末は全然覚えてなくて途中からは一気に読めました。隣の芝生は青く見えますよね。特に女性は結婚で仕事や自由度の環境が大きく変わるので、その辺も共感。でも、どんなところにいても今が幸せと思えるように過ごしていきたいな。設定も含め、とても面白かったです。2023/05/04
LNGMN
13
中盤からストーリー展開が早くて楽しめた。梶尾さんの作品はハードになりすぎず、視線があたたかで好み。シュタインズゲートも連想した。2022/03/11
ひさか
8
平凡社月刊百科2010年7月号〜2011年6月号、平凡社ホームページウェブ平凡2011年7月〜2012年2月に連載。2012年5月に平凡社より単行本で刊行されたものに、加筆・修正を行い、2020年2月徳間文庫から刊行。記憶を共有する二人の女性の謎がサスペンスタッチで綴られます。アイデアに安易さが目立ち、少し物足りませんでした。2020/05/16
gyogyotennte
3
面白かった。続きが気になって、一気読みしてしまいました。カジシンさんだからSFだけど、サスペンスでもありますね。2020/03/19
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- 和書
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