出版社内容情報
父と子の不確かな絆、夫と妻という家族のつながりを考えさせられる傑作長篇ヒューマンサスペンス。
内容説明
休日は必ず息子の友彦を連れ、調布飛行場へ行き、ぼんやりと過ごす三井田久志。実は彼はジェット旅客機のパイロットだったのだが、ある事情から乗れなくなり、今は長距離トラックの運転手をしている。ある日、関西で起きた女子大生誘拐事件の犯人の声をラジオで聞いて、愕然とする。それは、息子を置いたまま、蒸発した妻の声だった。彼は、息子を隣人に預け、妻の行方を捜そうとする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
momi
44
古い作品です!設定にひかれて読み始めました!パイロットの彼がある理由から飛行機に乗れなくなり…転職!家庭崩壊!妻は息子をおいて蒸発!!ことの発端…何故彼は飛行機に乗れなくなったのか…。メインの事件がすごく気になりラストまで一気読みだったけど、最低最悪の奥さんにただ唖然とするだけで…ラストも希望が見える終わりかたで終わっているのにもかかわらず、私の心には何も残らなかった事が残念です…が私の好きな作家さんの一人には変わりありません! 2019/11/23
mr.lupin
37
笹沢左保さんの著書三冊目読了。三井田久志はジェット機のパイロットだったのだか、ある事情から乗れなくなり、今は長距離トラックの運転手をしている。ある日、関西で起きた女子大生誘拐事件の犯人の声を、ラジオで聞いて愕然とする。それは、息子を置いたまま蒸発した妻の声だった。スピーディーな展開で読みやすかったが、子供を置いたまま蒸発した母親は最低最悪の女性だった。最後にタイトルの意味がどういう事なのか、良くわかった。なるほど。⭐⭐★★★2023/03/09
coco夏ko10角
25
ある日息子と一緒にいるときに流れてきたラジオのニュース、女子大生誘拐事件の犯人の声が失踪した妻の声で…。いなくなった妻の行方、事件に妻はどう関わっているのか。事件の真相とかよりラストよかった。しかし読み終えて見ると表紙イラスト合ってないなぁ。2020/12/08
A
22
誘拐犯の声だとして、テレビから聞こえて来たのは2年前に子供を置いて蒸発した妻の声だった。わりとトントン拍子に進んでいくなという印象でした。2021/08/04
MINA
15
本当最近復刊した著者の作品が発売される度購入してしまっている。帯で≪最悪の妻をめぐる物語のラストはあなたの心をきっと救ってくれる≫とあったのに興味惹かれた。“最悪の妻”と“救われる”というキーワードがどう繋がるのか分からなかったけど、確かに読破後その意味理解した。救いは、あった。37年の時を超えて復刊する訳だわ。「犯罪者の息子」にしない為、離婚届を持って失踪した妻を捜し歩く男の捜査官顔負けの推理力と執念に脱帽。今のオートロックが、当時は一部の高級マンションだけのシステムと書かれてて、そゆのも楽しめた。2019/11/17