出版社内容情報
将軍家綱の寵臣・深室賢治郎に用人殺害の嫌疑で目付の捜査が及ぶ。さらに刺客が迫り、最大の試練に直面。白熱のシリーズ第9弾!
将軍家綱のお髷番にして寵臣深室賢治郎は館林徳川家の黒鍬者に襲われるが、返り討ちに。老中阿部忠秋はこれを謀叛と取り、賢治郎に黒鍬者殲滅を命じる。一方、将軍正室の懐妊を確信した甲府藩家老堀田正俊は、大奥に刺客を送って害そうと画策。家綱の身にも危難が迫る。事態を打破しようとする賢治郎だが、目付に用人殺害の疑いをかけられ――。寵臣として最大の試練。その真価が問われる。
【著者紹介】
1959年大阪府生まれ。97年に「身代わり吉右衛門」で桃園書房主催第20回小説クラブ新人賞佳作、2010年に単行本『孤闘立花宗茂』(中央公論新社)で中山義秀文学賞を受賞。主なシリーズに「将軍家見聞役元八郎」「お髷番承り候」(以上、徳間文庫)、「闕所物奉行裏帳合」(中公文庫)、「勘定吟味役異聞」「御広敷用人大奥記録」(以上、光文社文庫)、「奥右筆秘帳」「百万石の留守居役」(講談社文庫)、「妾屋昼兵衛女帳面」(幻冬舎時代小説文庫)、「表御番医師診療禄」(角川文庫)などがある。そのほかにも『大奥騒乱伊賀者同心手控え』『日輪にあらず軍師黒田官兵衛』『峠道 鷹の見た風景』(以上、徳間書店)、『梟の系譜宇喜多四代』(講談社)など著書多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
73
お髷番承り候「登竜の標」9 巻。賢治郎さん、紀州藩主徳川頼宜と老中阿部豊後守厳しい教育をされていますね、深室家にも危機が、深室佐久衛門さん、ちょっと見直しました。2021/12/13
オーウェン
40
終わりが近づいてきたシリーズも9作目。 黒鍬者の襲撃を回避した賢治郎だが、依然として危うい状況。 そこで寵臣として育てるため、お髷番を離れる決断を。 そして頼宣は自身の家来として近くに置くが、今度は深室家が狙われる羽目に。 お目付けからも目を付けられ、かなり旗色が悪い状態で最終巻へと向かう。 2023/08/16
mam’selle
18
今ひとつ、ストーリーにモタモタ感が拭えない感じで9巻になって漸く大きく展開が予感される。戦国武将キャラが立っている紀州頼宣は面白いが、あとの登場人物はイマイチ。将軍家綱と紀州頼宣の二毛作勤務は中々面白い設定。2015/04/07
いつでも母さん
15
お髷番シリーズの9巻目。上田先生、kan様が書いてらっしゃいますが、このところ各巻(他の作品でも・・)で説明が多い様な気がしますね(汗)ドンドン進めて欲しいところです。この巻ではちょっと進み始めましたね~徳川家の15代までの順番は周知の通りですが、皆様そんなにトップになりたかったのかなぁ・・生母・取り巻き達の思惑にヘキヘキするが、今の政界を見てもこれが現実なんだろうな・・それにしても賢治郎は相変わらず『純』だなぁ。三弥は大人ですね。三弥の父がようやく?目覚めた様で溜飲が下がったわ。次巻も楽しみです。2014/10/27
Tatsuhito Matsuzaki
11
第四代将軍将軍家綱のお髷番を勤める深室賢治郎が、将軍位略奪を狙う難敵と闘うシリーズ第9作。 館林徳川家が送り込んだ黒鍬者に襲われた賢治郎は刺客を返り討ちにしたが、家重の生母順性院の用人を討ち果たした事件を目付に探索され、深室家は存亡の危機に。 その時、紀州頼宣と阿部豊後守がとった行動とは…。 最大の強敵とも思える徳川頼宣が賢治郎の最大の危機を救う一方、最も信頼する阿部豊後守は賢治郎を守りつつも家綱の治世のために政敵をも飲み込むなど、やはりこの御二人は役者が上手ですね。 そしていよいよ次が最終作です!2024/05/31
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