出版社内容情報
文庫書下しの実力派作家が新境地に挑む! 主君の、藩の、そして恋しい人のため――交錯する想いが引き寄せた運命の行方は。
かつて食うや食わずの自分を拾ってくれた苫田屋の主人が斬り殺され、店は火に包まれた。下男の平吉は、迫りくる火の手から奉公先の娘、お京を救い出す。騒動の夜に訪れていた武士、片倉が下手人だと証言するも、反対に主殺し火つけの疑いをかけられてしまう。主君のため、藩のため、そして恋しい人のため――。攘夷思想が蔓延し混乱する江戸で、交錯する想いが引き寄せた運命の行方は。
【著者紹介】
1972兵庫県生まれ。2001年『浮世奇絵草紙』で講談社第9回ホワイトハート大賞受賞。「情景描写の完成度で群を抜いていた」(川又千秋氏)「艶な浮世絵師を取り上げたのが面白い」(ひかわ玲子氏)「江戸のことがきちんと書かれている」(夢枕獏氏)
内容説明
かつて食うや食わずの自分を拾ってくれた苫田屋の主人が斬り殺され、店は火に包まれた。下男の平吉は、迫りくる火の手から奉公先の娘、お京を救い出す。騒動の夜に訪れていた武士、片倉が下手人だと証言するも、反対に主殺し火つけの疑いをかけられてしまう。主君のため、藩のため、あるいは恋しい人のため―。攘夷思想が蔓延し混乱する江戸で、交錯する想いが引き寄せた運命の行方は。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiko
4
藩政の闇をめぐる事件が描かれている。設定は面白く途中くらいまでは一気に読んでいった。途中から登場人物が次々に死んでいく。この人まで死ぬの?と驚いてたら、最後は平吉一人になってしまった。こんな展開は全く予想してなかった。ハッピーエンドは期待してなかったけれど、みんな殺して終わり⁇という感想。2025/03/04
山内正
1
苫田屋主人が夜半武士二人と座敷で 言い争いの後殺され火を放たれる 家が燃える中戸締まりの平吉が気付くが燃える中で娘を助ける。 柿沢藩の侍だと分かり駆け付けた同心に報せるがそこからの藩の思惑 が絡み奉行所を巻き込み平吉を含めての証拠の探し合いが複雑に描かれとても読み応えがある2018/03/06
ミサンガ
0
筆力のある作家さんなのに、この作品の評価がイマイチなのは、読後感が悪すぎるんだろうなあ。 だーれも幸せにならないし、登場人物がどいつもこいつも愚か者。 目先の慾にまどった苫田屋。恋に恋して真実を見ようとしないお京。肝心なところでポカする同心。 極めつけは、お燕・・・。 悪者と愚か者に翻弄されて、罪のない人が犠牲になる。更生するチャンスも与えられず、光の見えないラスト。 現実ってそんなものかもしれないけど、虚構の世界でまでそんな風だと気が滅入るんだよねー2017/03/23
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- 和書
- 上杉謙信 講談社学術文庫