内容説明
尾張織田家を攻め滅ぼすべく、駿河今川家の雑兵として駆り出された百姓の平太。以前から侍になりたかった平太は、意気揚々と出立するも、初陣が負け戦となってしまう。命からがら戦場から脱け出せはしたものの、一瞬の大雨が惨劇をもたらした…。敵も味方も次々と斃れていく様を目の当たりにした若者の心は折れてしまうのか、それとも―。刀槍と大地、人が選ぶべきはどちらなのか?傑作戦国時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lara
82
一百姓が戦に駆り出された。戦に出てみたい気持ちのあった茂平。いざ戦場で、敵と相まみえる。そもそもが百姓だから、心構えも、戦術も持ち合わせていない。それでも教えられつつ、修羅場を抜けた。なんとか、無事村に戻るが、もう戦士として戦に出ていくことはないだろうな。2023/11/30
蕭白
8
戦に借りだされた農民の視点で、桶狭間の戦いが描かれていました。所々でもう少ししっかりと描いて欲しいなぁと思うことはありましたが、十分に楽しめました。この作品の主人公たちのように、地に足の着いた生き方ができることを羨ましく感じました。2016/04/15