内容説明
ランジェリーを専門とする通販会社の女性経営者・里中若葉は、フィリピン人のメイドに家事を任せて多忙な日々を送っている。夫である浩輔は別会社で働きつつ、そんな若葉を理解し支えようとしている。二人は互いを必要とし、優雅で満ち足りた生活を送っていた。若葉はある日、偶然に立ち寄ったレストランで働く青年・恵淳に目を惹かれる。優雅にシャンパンを注ぐその表情には、青年特有の、エネルギーのはけ口を見出せずにいる屈託がみてとれた。「この子を育ててみたい」何かに憑かれたように感じた若葉は、恵淳を誘い、その若い肉体と情熱を味わいつつ、有名レストランへ、優雅な旅へと連れまわす。やがて、若葉は自宅マンションの隣室を購入して改装、その用途をいかぶる夫に対し、若い青年を住まわせたいと打ち明ける―。女性の起業家が社会で台頭、夫との生活を守りつつ、愛人を囲う女性経営者たちも現れている。そんな時代の息吹を鮮やかに写し出す傑作長編。
著者等紹介
甘糟りり子[アマカスリリコ]
1964年横浜生まれ。玉川大学文学部卒。先端ファッション、グルメ、クルマなどの最新情報を盛り込み、都市風俗を鮮やかに描く小説、エッセイで注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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千穂
27
若手美人女性起業家、中々の豪放ぶりなんですけど、お腹いっぱいになってしまったわ。2020/07/18
野のこ
10
豪快にお金の使う若手女社長と保守的な普通の夫。ある日若葉はバイト青年に出会って彼を育てようとする。もう何から何まで庶民離れ、むしろ爽快な気持ちで読みました。家庭という響きが最も遠い夫婦なので当然の結末。彼女の心の内を知りたかったです。沢山の美味やブランドが出てきて目が回りそうでした。2016/11/09
スパイク
10
これって消費経済に対するアンチテーゼ?そんなわけないはな。登場人物にバンバン札束切らせて、作者も結構楽しんでる。どうせなら、それこそプライベートジェットに島買っちゃうくらいやってもよかったのでは。まで書いて…あんまり書くことないので他の人の感想読んだら、主人公のモデルになるような人物が本当にいるみたい。まあ、いろんな価値観があってもいいとしましょう。2015/03/29
チェス
4
作り物と思えばいいんだろうけど、やっぱりダメだった。斜め読み状態で読了。2019/05/31
きのこ
2
現代を象徴する「女の強さ」が描かれている。女のオトコ化?話に出てくる高級品の数々は、女性なら一度は憧れを抱くものばかり。でも最終的に若葉が手にするものは、やっぱりそれなのねー。帯でピーチ・ジョンの野口美佳さんが「これはわたしのことではありません」とわざわざ書いているくらい読んでる間は野口さんしか思い浮かばなかった!2008/12/04