内容説明
歌舞伎町。シャブの売人。カジノにはまった。借金の返済がせまっている。十七歳のユウ。金を持っていた。シャブ漬けにしてカモるはずが、やくざにあてがうことになった。疼く心。炸裂する暴力。鮮烈に描く破滅に向かう青春。馳星周の傑作短篇。
著者等紹介
馳星周[ハセセイシュウ]
1965年北海道生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
61
「不夜城」でデビューして二、三年後の作品が五篇。更に五年後位の作品が三篇収録された短編集。主人公はシャブの売人、キャバ嬢、売れないホスト、ストリートギャング等社会の底辺で蠢くアウトロー達ばかり。短編とはいえ作者特有のダークな世界が描かれており、どれも救いようのない話ばかりです。勿論「不夜城」始め初期の長編程の強烈さはないですが、デビュー当時の馳さんファンとしては、久々に馳ワールドに触れさせていただきました。また「不夜城」のような作品、書いてくれないかな。 2016/09/25
hit4papa
59
どろっとした悪意に不快感すら感じる作品集。アンダーグラウンドの世界を白日のもとに晒す著者らしい8作品が収録されています。少女や少年が主役の「ストリートギャル」、「ジャンク」といった受け入れ難い作品はあるものの、タイトル作は成長物語として読ませてくれます。読後感は総じて悪いのだけど…。対立するチームから逃れた先は「ギャングスター」、キャバ嬢のバイトに明け暮れる女子大生「スリップ」など。美しいが故に女性を虜にするものの性的に問題を抱える青年の苦悩「クラッシュ」だけは、本作品集の中で微かな希望が見出せます。 2023/03/26
mr.lupin
42
馳さんの短編集。読みやすかったけど、う~ん、内容がいまいちかな。どうしても《不夜城》のイメージが凄すぎて内容が薄っぺらいのは否めないかな。☆☆☆★★2015/12/19
Tetchy
29
夜の仕事や裏社会で生活する人々を描いた短編集。各編どれも相変わらず救いがない。ほとんどの作品が物語をほっぽり出して唐突に終わる。歯切れの悪い読後感が残され、どう収拾つけたらよいのか解らないと云ったところ。およそ向上心とは無縁の人間たちの日々と生活が如実に語られる。そこには物語が読者に抱かせてくれる幻想などは一切ない。そんな人々の話を馳氏は勢いと衝動に任せて筆を奔らせているように感じる。したがってほとんどの作品が起承転結がないといってよかろう。しかしこれほど読後感が悪い短編集も珍しい。本当に何も残らない。2013/02/22
Tαkαo Sαito
21
少年と犬、ソウルメイトぶりの馳星周さん作品3冊目。初期めの短編集ということでかなり濃密でハードな作品が多かったが、とにかく読み進めさせてしまう熱量、パワー、馳星周さんの執念(?)が紙面から溢れ出てくるような作品集。特にストリートギャル、溝鼠、マギーズ・キッチン、クラッシュが好き。特に最後に収録されているクラッシュは読み進めて状況が刻々と変わっていく様はとても怖く、だけれども一気に読み進めることしかできなかった2025/05/04
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