内容説明
郡県制を敷き、儒教を公認することで中央集権国家を築き、さらに郷挙里選の法により、庶民出身の丞相を数多く抜擢、新官僚登用の道を開いた武帝。国外においても、宿敵・匈奴を漢北に駆逐し、絹の道を通す偉業を成し遂げた。しかしその反面、華やかな外征や宮殿建設などによる財政の困窮により、末期は各地に農民反乱を招いてしまう。漢の第七代皇帝・武帝の生涯を余すことなく描いた、中国歴史ロマン小説。
著者等紹介
伴野朗[トモノロウ]
1936年、愛媛県生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
7
たぐいまれなる幸運に支えられて「武帝」として漢帝国の中興の祖となった劉徹(りゅう・てつ)の物語。幸運とは、その即位までの道のりから始まり、時代に恵まれたこと、果断なその意思を示すことができる官僚たち、政治家たち、そして武将たちを持てたこと、長寿を全うできたこと。しかし老醜を晒して晩節を汚してしまったことも事実。伴野さんの筆は、匈奴に囚われ、皇帝劉轍に親族一族を皆殺しにされた老将軍が漢に戻る道を選ばなかった人生を描き、終幕としました。なるほどね。2005/05/21
BIN
6
漢の支配領域を最大にした武帝を描いた作品。皇帝になる前までの後継者争いを行う女達の戦い当たりは小説っぽくてよかったのだが、話が進むにつれ解説が増え教科書っぽくなる(いつものことか)。景文の治による休息により国力を増した上での侵略戦争という点はわかりやすい。中盤までの英明さはともかく終盤の老害の酷さは半端ない。2015/09/17
TiawPai
2
歴史的には衛青、霍去病の活躍で前漢最大の版図を築いた人。最近では中国歴史ドラマ「賢后衛子夫」(日本では2015年レンタル開始)のヒロイン衛子夫の夫、ドラマの中では奸臣の策謀にも惑わされず愛を貫く話ですが、現実は子供共々殺されています。明の朱元璋も酷いですが正妻や子供は殺してないので、よっぽど人を殺した部類に入ると思います。2018/03/04
RIU
0
淡々とした語りで、教科書のような印象でした。2012/10/12
-
- 電子書籍
- ―日中百年の群像―革命いまだ成らず(上)