内容説明
日本以外の国が、全て海の底に沈没してしまった。ニクソン、毛沢東、ローマ法王などなど、世界のVIPが大挙して日本に逃げ込んで大騒ぎに…。小松左京氏のベストセラーのパロディである表題作をはじめ、何が書いてあるのかまったくわからない「フル・ネルソン」、その体裁ゆえ今回が文庫初収録となる「デマ」、百人一首すべてをもじった「裏小倉」など、傑作パロディ小説を十三篇収録。抱腹絶倒必至。
著者等紹介
筒井康隆[ツツイヤスタカ]
1934年、大阪府生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
71
面白かったです。ブラック度は少なめですが、その分、パロディで読ませようとするサービス精神が伺えます。元ネタが分からなくても楽しめるのは筒井作品ならではでしょう。実験的な作風は相変わらずで、この発想は何処から来るのか関心します。下ネタ多めでくだらなさは感じますが、このくだらなさが魅力です。2015/11/16
けんとまん1007
55
パロディ・・・って、簡単なことではないと思う。原作になるものがあり、それを解釈して自分なりに調理する。筒井さんの場合、解釈のレベルも調理のレベルも、それぞれが断トツなものがある。それでも、読者にわかるような配慮があるのが凄い・・・もちろん、読者による受けとり方も幅広いだろう。こんな人は、もう現れないのかも・・・でも、好きだなあ。2022/06/22
とも
39
★★かれこれ35年くらい前だろうか、星、小松、筒井を読みあさっていたのは。その郷愁で久しぶりに手に取ってはみた。想像していた、記憶していたイメージとは全く違いはなかった。今でも小松は愛読書のひとつであり、そのパロディーである当作を手にとったものの楽しめなかったのはおそらくこの手の 笑い、ギャグ、パロディー、ユーモアというものに流行があるためであろうか。それとも、単にお笑いには対象年齢があるためなのか。どちらにしてものの、悲しいながら残念な結果に終わった。2016/10/10
おにく
31
自選短編の"パロディ編"であります。パロディというと、元ネタが分からないと楽しめないものですが、巻末に解説も載ってるし、筒井さんのギャグが楽しめる人なら問題なしです。この本でお勧めなのは"日本以外全部沈没"。文字通り、日本以外の国家が地形の変化で海に没し、世界中の要人、有名人が日本人に取り入ってくる様子が面白おかしい。自分はこの短編を、コロナに有効な治療薬が日本から売り出され、似たような状況にならないかと背徳的にニヤニヤ。自粛で我慢を強いられる状況のなか、こんなブラックな笑いはどうでしょう? 2020/04/15
とも
31
★★★★大昔の再読。SFで一番好きな 小松左京の「日本沈没」のパロティー。とはいえ、友人小松の作品をパロッただけあって、本気で取り組んだこの一冊に、この作家の真剣勝負であることがわかる作品。2015/09/07
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