内容説明
第一線で活躍の女性ミステリー作家による華麗なる競演。新井素子「週に一度のお食事を」倉橋由美子「鬼女の面」黒崎緑「熱風」小池真理子「水無月の墓」河野多恵子「雪」曽野綾子「佳人薄命」高村薫「アルコホリック・ホテル」戸川昌子「怨煙嚥下」夏樹静子「陰膳」原田康子「空巣専門」皆川博子「漕げよマイケル」宮部みゆき「我らが隣人の犯罪」森茉莉「黒猫ジュリエットの話」、全十三篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
24
結城さんの選ぶ女流作家傑作選。安定した作家陣の名が並ぶ。新井さんの「週に一度のお食事を」が見事に裏を書かれたような物語で気に入りました。人が死ぬ、謎解きばかりがミステリーとは違う。黒崎さんの「熱風」も心の奥に押し込めた秘密で押しつぶされそうだった妻の心と単身赴任の夫の心の隙間が痛かった。アンソロジーは色々な作風を楽しめるのであっという間に読み終えてしまいます。2011/06/08
ギルヲ
3
原田康子、森茉莉といった意外な人選もあり、見事なアンソロジーでした。倉橋由美子『鬼女の面』、皆川博子『漕げよマイケル』は既読でしたが、個人的にはやっぱり飛び抜けてるなあと(好みの問題)。夏木静子『陰膳』は都市伝説の風格。黒崎緑『熱風』も良かった。というか、全部面白かったです。この結城信孝編のアンソロジーには第二弾があるそうなんですが、古本屋さんで見つかるかなあ。読みたい。 2024/07/07
𝕲𝖊𝖓𝖊𝖘𝖎𝖘𖢲
1
皆川博子と森茉莉の名前に惹かれ(タイトルの如く誘惑され?!)手に取る。60〜90年代と割合古めの作品群。女性作家特有の、まさに装丁の薔薇の絵のような繊細で艶やかさをおびた話が多くとても楽しめた一冊。お目当皆川博子は相変わらずの耽美さと残酷さで、昔も今も変わらない氏の美の世界にうっとり。始終ミステリーにどっぷり浸かっていたがラストの森茉莉でブリブリ女の子ワールドに飛ばされた(笑)2015/02/20