内容説明
部下たちを特攻戦死させて生き長らえた作戦指導者・指揮官・参謀たちの責任をうやむやにしたまま、現代の若者たちにも特攻を讃美させようという動きがあるという。戦死した陸海軍の特攻隊員は約三千六百名だが、このようなことでは、彼らは哀れな犠牲者にすぎなくなってしまう。大西滝治郎中将をして「統率の外道」と言わしめた特攻の是非と、その責任の所在を問う、衝撃のドキュメント。著者渾身の書下し。
目次
『幾山河』は売れても
瀬島参謀本部参謀式慰霊祭
特攻戦没者の悲願に適う慰霊祭
林冨士夫の自殺志願
出撃指名人と被指名人
予備学生は本チャンの尻ぬぐい
角田和男の零戦特攻隊員物語
心で泣く特攻出撃
「回天」にかけた小灘利春の夢
「死に損い」の遺族係〔ほか〕